ChatGPTの利用率は、職業別に見た場合、学生や教職員が20%以上利用しています。その次に会社役員が17%で会社員16.7%、自営業14.5%が続きます。学業や仕事では、会議やプレゼンなどもおこなわれるため、文字起こしが必要な場面が多いです。

しかし、ChatGPT単体では文字起こしが難しい理由があります。そこで今回はChatGPTで文字起こしするためのOpenAIの音声認識モデル「Whisper」を活用した具体的な手順を解説します。

議事録作成やインタビュー記事の編集で役立つChatGPTの効果的な使い方や、おすすめのAI文字起こしツールもご紹介。記事を読めば、音声データの活用を効率化できるので、ぜひご覧ください。

ChatGPT単体では文字起こしが難しい理由

ChatGPTに音声データを直接文字起こしする機能は備わっていません。ChatGPTは音声認識ではなく、テキストベースのAIのためです。つまり、音声データをそのまま入力しても、ChatGPTは内容を理解できません。

音声データをテキスト化するには、音声波形を解析し、話し手の声や言葉を正確に認識する技術が必要です。音声データのテキスト化は、専用の音声認識モデル(例:Whisper)が適しています。ChatGPTは、音声データの処理能力を持っていないため、文字起こしには不向きです。

たとえば、会議の録音ファイルをChatGPTに直接渡しても、何も返ってこないか、誤った出力がされるだけです。しかし、音声データをテキストに変換した後なら、ChatGPTはそのテキストを要約したり、校正したりすることが得意です。

ChatGPTを使った文字起こしの方法

文字起こしの方法

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Google ColaboratoryでWhisperの文字起こし実行環境を実装する手順

Whisperは、OpenAIが開発した高精度な音声認識モデルです。利用すれば、音声データを自動でテキスト化できます。まず、Whisperを実行環境を用意してから文字起こしする作業が必要です。

難しい操作をおこなうことはなく、初心者でも簡単に導入できます。以下の手順で実行環境を実装します。

  1. Google Colaboratoryで「+ノートブックを新規作成」します。

    ノートブックを新規作成

  2. 画面右上の「接続」をクリックして「RAMディスク」の表示が出るのを確認します。

    RAMディスク

  3. 実行が完了したら「+コード」をクリックして、コード入力欄で「!pip install git+https://github.com/openai/whisper.git」と入力し、「▷」をクリック。

    コード入力欄

2

Whisperを利用して音声ファイルを文字起こしする手順

Whisperの音声ファイルの文字起こし方法を解説します。

  1. 画面左の「ファイル」ボタンをクリックし、ファイルから「content」をクリックします。

    content をクリックし

  2. ファイルの「content」内に音声ファイルをドラッグ&ドロップし、「+コード」をクリックします。(右クリックで「アップロード」をクリックし、音声ファイルをアップロードする方法も可能です。)

    アップロード

  3. 上記の新規コード入力欄に、以下のコードを入力してください。

    tips

    model = whisper.load_model('base')

    result = model.transcribe('ファイルのパス名')

    print(result['text'])

  4. コードのファイル名は、指定の音声ファイルを右クリックして「パスをコピー」して「('ファイル名')」に挿入してください。

    パスをコピー

    content内に「sample.m4a」の音声ファイルをアップロードした場合、「/content/sample.m4a」がパスとなり、以下のコードを入力します。

    tips

    model = whisper.load_model('base')

    result = model.transcribe('/content/sample.m4a')

    print(result['text'])

  5. 「▷」ボタンをクリックすると、音声データを文字起こしできます。

    音声データを文字起こし

ChatGPTによる文字起こしデータの活用法

ChatGPT

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文章校正と改善

文字起こしデータは、口語表現や冗長な言い回しが残ります。そのままでは話し言葉が多く含まれ、読みづらかったり重要な情報が埋もれたりしがちです。

ChatGPTに「この文章を校正・推敲してください」と指示すると、誤字脱字や文法ミスを自動的に修正してくれるだけでなく、ビジネス文書や報告用の書式に合わせた表現へと整えてくれます。

また、専門用語が多い場合はあらかじめChatGPTに用語の意味や用法を伝えておくと、より正確かつ自然な文章に仕上げることが可能です。そのため、文章としての可読性を高めたり、必要な部分だけを抽出して効率的にまとめられます。

2

要約や議事録作成

会議や講演など、長時間の音声を文字起こしすると膨大なテキストになりがちです。そこでChatGPTの要約機能を活用すると、主な発言や結論を手早く抜き出し短い文章にまとめられます。

「重要なポイントをピックアップして議事録を作成してください」と指示すれば、誰が何を発言したか、どのような決定事項があったかを整理したうえで簡潔に提示します。そのため、後から内容を振り返る際も探しやすく、長大な原文を読み返す手間を削減可能です。

3

インタビュー記事の作成方法

取材音声や座談会の録音を記事に仕立てたい場合、ChatGPTを活用するとスムーズです。

まず文字起こししたデータを投入し、「雑誌用のインタビュー記事として再構成してください」「〇〇というテーマに焦点を当てて簡潔にまとめてください」などの具体的な指示を与えると、流れのある読みやすい記事に仕上げてくれます。

レイアウトや見出しを付けたい場合も、「小見出しを入れてください」といった要望を伝えれば、さらに完成度を高められます。

ChatGPTを文字起こしに活用する際の注意点

ChatGPTを文字起こしに活用

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音声認識精度の課題

文字起こしをおこなう際、AIが100%正確に単語を変換できるとは限りません。話者が複数いる場合や騒音がある環境だと、誤変換や区切りミスが発生しがちです。

特に同音異義語や専門用語が多い会議・講演では誤認識のリスクが高まります。あらかじめノイズを抑えた高品質の音声を録音し、専用マイクを使用することで精度を底上げし、最終的には人によるチェックが望ましいです。

2

文脈理解の限界

ChatGPTは大量のデータから学習しているため、さまざまな表現に対応できますが、あくまで統計的推測に基づいて文章を生成しています。そのため、複雑な文脈やリアルタイムの最新情報が必要な場合、必ずしも最適な回答を返せるわけではありません。

特に専門性の高い分野や新しい技術に関しては、生成された内容に誤りや不完全な記述が含まれる可能性があります。出力結果を鵜呑みにせず、必要に応じて手動で修正しましょう。

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プライバシーとセキュリティに関する考慮事項

会議音声や取材データには機密情報が含まれる場合があります。ChatGPTに入力したテキストは学習素材の一部となる可能性があるため、取り扱う情報の選別や匿名化といった対策をおこないましょう。

セキュリティ対策が整ったサービスの選択や、ツールのプライバシーポリシーの確認も重要です。有料版か無料版かにかかわらず、利用規約を読んでデータの保管・使用方法を把握したうえで導入すると、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。

おすすめのAI文字起こしツール5選

AI文字起こしツール

1

Notta

Notta

「Notta」は、多言語対応と高い文字認識精度を兼ね備えた音声テキスト化サービスです。英語・日本語をはじめとする多数の言語を扱うため、海外拠点との会議や英語学習にも重宝します。

リアルタイム文字起こしのほか、録音済みの音声ファイルをアップロードしてテキスト変換することも可能です。有料プランでは長時間ファイルの自動文字起こしや、翻訳機能を活用できるため、国際的なプロジェクトでもスムーズに情報共有がおこなえます。

cta3
いつでも、どこでも音声を文字にする。

Nottaは日本語に特化した国内最先端AI音声文字起こしツールです。

無料ではじめる
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Rimo Voice

Rimo文字起こし

「Rimo Voice」は、日本語特化の自然言語処理技術を持ち味とするAI議事録作成ツールです。1時間分の音声を数分でテキスト化できる高速処理能力が評判で、作業効率を高めたい企業に選ばれています。

また、スライダー機能によりテキストと音声の再生箇所を連動させ、確認・修正しやすい点も魅力です。録音データのアップロードだけでなく、ブラウザから直接録音もでき、ChatGPTを使った要約作成により議事録の全体像を素早く把握できるのが強みです。

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Yomel

YOMEL

「Yomel」は、独自の音声認識エンジンと話者識別機能を組み合わせ、高度な議事録作成を目指すアプリケーションです。ボタン一つで会議音声の録音と文字起こしがスタートし、同時に自動要約やキーワード抽出もおこなわれるため、後から内容を読み返す際に手間を取りません。

さらに、ChatGPTとの連携で精度の高い文書化を実現し、発言者別の色分けや要点のハイライト機能など、可読性を高める工夫が充実しています。

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Gemini

Geminiとは

「Gemini」は、Googleが開発したマルチモーダルAIで、テキストや画像、動画など多様なデータの処理を得意とします。主に文章生成や要約に注目されがちですが、Google AI Studio経由で音声データの文字起こしも可能です。

認識精度が高く、日本語の微妙なニュアンスを表現しやすいのが特徴です。無料で試せて、既存のGoogleサービスと統合しやすいため、個人から大企業まで幅広い層に活用されています。

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PLAUD NOTE

PLAUD NOTE

「PLAUD NOTE」は、ボイスレコーダーとAI文字起こしの機能をハードウェアごと一体化したタイプのツールです。ネット環境がない場所でも録音した音声をその場で文字起こしでき、機密性の高い会議でも安心して利用できます。買い切り型のため利用頻度が少なくても導入しやすいです。

ヘビーユーザー向けには月額プランを追加して高度な機能を使えます。外部サーバーに依存しない運用が必要な企業や、スマートフォンを使えない環境での利用に最適な選択肢といえます。

AI文字起こしツールの選び方

AI文字起こしツール

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音声認識の精度と辞書機能

ツールを選ぶ際、最初に注目すべきは認識精度です。どれほどカタログスペックが高くても、実環境では騒音や話者の発声など多様な要因で誤字脱字が出やすくなります。専門用語や固有名詞が多い業界の場合、辞書登録やカスタマイズ機能があるかどうかも重要です。

自社の用語をあらかじめ登録できれば、再編集の手間を減らし、スムーズな運用が実現できます。

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要約・編集機能の重要性

長時間の会議録や音声をそのまま文字化すると情報量が膨大になり、要点が埋もれがちです。自動要約や必要箇所だけを抜き出す編集機能があると、後から議事録を整理する負担が大幅に軽減されます。

また音声文字起こし後の誤字修正や文体の統一といった編集作業を簡単におこなえるかどうかも選定時の大切なポイントです。

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業務支援機能の有無

会議を録音・録画しながら同時に文字起こしできるツールや、通話内容を可視化してクレーム対応に役立てられるソリューションなど、業務フローをサポートする仕組みを持つツールは便利です。

オフライン環境での作業が必要な場合や、クラウドサーバーを分けて運用できるかなど、自社のセキュリティポリシーに合った形で運用できるかも重要な視点となります。

4

対応言語と多言語対応のメリット

海外とのやり取りや多国籍メンバーが参加する会議が多い企業では、日本語だけでなく英語・中国語などに対応したツールが必須です。多言語の音声認識が可能なうえ、翻訳機能まで備わっていると、世界各地の拠点や取引先ともスムーズに情報共有がおこなえます。

別ツールで翻訳するより工数が少なく、国際的なプロジェクトでも活躍の幅が広がるでしょう。

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コストパフォーマンス

利用料金と利用可能時間のバランスを考慮しましょう。月額定額制で時間無制限のプランもあれば、一定時間を超えると追加課金が発生するケースもあります。自社で想定される月間利用時間や音声ファイルの本数、精度要求を踏まえ、コストと機能の釣り合いを検討してください。

安価なプランでも必要な機能が揃っていれば十分です。高機能プランが必須の場合は社内予算との折り合いを付けて選ぶことが大切です。

AI文字起こしツールを利用するメリットとデメリット

AI文字起こしツール

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メリット

速度と効率性の向上

従来、人力で進めていた文字起こしは、1分の音声に数倍もの時間がかかるうえ、ミスを防ぐための校正作業にも手間がかかります。一方、AI文字起こしツールは会議やインタビューなど長時間の音声データでも、数分程度でテキスト化が可能です。

自動要約や誤字修正機能が備わっていれば、議事録作成や情報共有にかかる時間を短縮し、他の業務に注力できるメリットがあります。

コスト削減

文字起こし作業を全て人員で対応すると、人件費や研修コストが積み重なります。会議が頻繁におこなわれる企業や長時間の録音を扱う部門では、担当者の稼働が負担です。

しかし、AIツールを導入すれば、月額や従量課金などの利用料はかかるものの、長期的には人件費の削減や作業効率化による生産性のアップが期待できます。

多言語対応の柔軟性

グローバル化が進む中、英語や中国語など外国語での会議や情報発信が増えています。多言語対応のAI文字起こしツールを導入すれば、異なる言語を自動的にテキスト化でき、必要に応じて翻訳も可能です。

そのため、海外拠点との情報共有や外国語サイトの作成が容易になり、多国籍チームでの連携もスムーズに進められます。

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デメリット

精度のばらつき

AI文字起こしは急速に進歩しているものの、背景ノイズや話者のアクセント、専門用語などが多い場合に誤変換が発生しやすい点は依然として課題です。

方言が強かったり、複数の話者が交錯する場面では、誰がどの発言をしたのかを自動判別しにくく、間違った文脈で記録される可能性があります。

また、音声データから非言語的要素(感情や強調など)が失われるため、不自然な文章になりがちな点にも注意が必要です。

プライバシーリスク

多くのAI文字起こしツールはクラウド上で処理をおこなうため、音声データが外部のサーバーへ送信されます。その際、機密情報や個人情報が含まれる場合は情報漏洩リスクが伴います。

ツールによってはサービス提供者が学習データとして音声や文章を利用する可能性もあるため、利用規約やセキュリティ対策の確認が欠かせません。

企業の機密文書や個人のプライベートな内容を扱う際には、オンプレミス型(自社運用型)や高い暗号化機能を備えたサービスの検討も必要になります。

導入コストや学習曲線の発生

高性能な文字起こし機能を利用するには、多くの場合、有料プランや専門的なシステム導入が前提となります。月額費用や従量課金といった料金体系のほか、カスタマイズにかかる手間やサーバーのアップグレード費用など、運用全体を考慮すると投資額が負担になりがちです。

ツールの操作や辞書登録、修正作業の手順をチームで共有するなど、初期段階の学習曲線も存在します。導入にあたっては、必要な機能と予算、運用体制の検討が必要です。

まとめ

ChatGPT単体では音声データの直接文字起こしはできません。音声認識モデル「Whisper」を組み合わせることで対応可能です。Google Colaboratoryで簡単に実装でき、音声をテキスト化した後はChatGPTで要約や校正が効率的におこなえます。

議事録作成やインタビュー記事の編集にも役立つ一方、音声認識精度やプライバシー管理には注意が必要です。

NottaなどのAI文字起こしツールも活用すれば、業務効率化が図れるため、ぜひ利用してみてください。

Chrome拡張機能10選

Nottaが選ばれる理由は?

① 日本語特化のAIで業界トップの文字起こし正確率が実現、複数言語の文字起こしと翻訳も完璧対応

② 驚いほどの認識速度で文字起こし作業効率化が実現、一時間の音声データがただの5分でテキスト化

③ 国内唯一のGM・Zoom・Teams・Webex連携できるAI会議アシスタント、事前の日程予約から会議を成功に導く

④ AI要約に内蔵されるAIテンプレートで会議の行動項目、意思決定やQ&Aなどを自動作成
(カスタム要約テンプレートでインタビューや営業相談など様々のシーンでの効率化を実現)

⑤ 一つのアカウントでWeb、APP、Chrome拡張機能が利用でき、データの同期と共有はカンタン

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