簡易的な問い合わせ対応→チャットボットで十分な場合も
複雑なタスクの自動化→対話型AIが有効
高度なカスタマーサポート→対話型AIが有効
業界トップの正確率で作業効率爆上げ!
対話型AIとは、人工知能(AI)を用いて、人間とコンピュータが自然な会話を行うことを可能にするサービスです。チャットボットや音声アシスタントが代表的な例で、人間が日常的に使う言葉で質問したり、指示したりすると、AIがそれに見合った回答・対応をしてくれます。
対話型AIにはさまざまな用途があり、趣味にとどまらず、さまざまなビジネスの現場でも活用できるツールです。現在、多数の対話型AIがリリースされ始めており、利用を検討されている方もいらっしゃるかと思いますが、「一体、どのサービスを利用したらいいの?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
今回は「対話型AI」に焦点を当て、その概要やチャットボットとの違い、注目理由、メリット、選び方、おすすめのサービス12選、活用事例、対話型AIの課題・注意点などについて解説します。現在対話型AIを利用している方や、今後利用を検討している方はぜひご一読ください。
対話型AIとは、人工知能(AI)を用いて、人間とコンピュータが自然な会話を行うことを可能にするサービスです。自然言語処理や機械学習、対話管理などの技術を組み合わせることで、ユーザーの質問に答えたり、指示に従ったりできます。例えば、iPhoneやiPadなどに搭載される「Siri」などの音声によるものや、LINEや企業のWebサイト上でユーザーからの問い合わせに回答するテキストによるものなどが代表的な対話型AIです。
対話型AIとチャットボットは、どちらも人間との自然な対話を目指す技術ですが、その機能や複雑さに違いがあります。
どちらを選ぶかは、どのような目的で対話型AIを導入したいかによって異なります。
簡易的な問い合わせ対応→チャットボットで十分な場合も
複雑なタスクの自動化→対話型AIが有効
高度なカスタマーサポート→対話型AIが有効
対話型AIが注目を集める理由は多岐にわたりますが、要因としては以下の4点が挙げられます。
対話型AIは、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしつつあり、大きな注目を集めています。その魅力は、主に以下のメリットに集約されているといえるでしょう。
対話型AIを利用すれば、人間のスタッフが休んでいる時間帯でも、24時間365日、いつでも問い合わせに対応してもらえます。よくある質問などは、瞬時に回答され、待ち時間を短縮できるでしょう。また、過去の会話履歴や購入履歴から、顧客に合わせた商品やサービスが提案されたり、多言語に対応したサービスを利用すれば、グローバルなコミュニケーションが可能になったりもします。
対話型AIを活用すれば、迅速かつ丁寧な対応が可能になり、顧客満足度を高め、リピート率向上につながるでしょう。また、問い合わせ対応やデータ入力など、ルーティンワークを自動化すれば、従業員の負担の軽減や人件費の削減、業務効率化などにもつながります。浮いた時間は、より創造的な業務に集中できますし、顧客との会話データを分析すれば新たなビジネスチャンスの創出にも期待できるでしょう。
多種多様な対話型AIが登場する中で、自社のニーズに合った最適なAIを選ぶことは容易ではありません。ここでは、対話型AIを選ぶ際のポイントを5点解説します。
顧客対応の自動化や社内業務の効率化、マーケティング支援など、対話型AIを利用する目的を明確にすることで、必要な機能を絞り込めます。サービスを選ぶ際は、どのようなユーザーに対して、どのような情報を提供したいのか、具体的にイメージするところから始めましょう。
目的を明確にしたら、それを達成できる機能を搭載したサービスをリサーチしましょう。この際、以下の点を確認するとよいです。
人間の言葉をどれだけ自然に理解し、適切な回答ができるか
過去の会話データを学習し、どのくらい回答精度を向上させられるか
自社のシステムや業務に合わせて独自でカスタマイズできるか
他のシステム(CRM、ERPなど)と連携できるか
多言語対応はどうなのか
無料で利用できるサービスも多数リリースされていますが、有料プランを設けているサービスもあります。プランごとに、利用できる機能や会話量に制限を設けているサービスもあるので、確認しておきたいポイントです。また、システム導入費用や運用・保守費用などを考慮した費用対効果も確認するとよいでしょう。
サービスの使いやすさも確認しましょう。特に、直感的な操作性や画面・デザインの見やすさ、音声入力への対応、文字入力のスムーズさなどを確認するとよいでしょう。
気になるサービスの口コミ・評判も参考にしましょう。Webサイトのまとめ記事やストアのレビュー・評価などを参考にしてみてください。
概要:
ChatGPTとは、OpenAIが2022年11月に公開した対話型AIです。まるで人間と対話しているかのような形式でAIとやり取りができ、ユーザーの指示に基づいた質問に対して、高精度な回答を実現します。文書作成だけでなく、画像・音楽の生成も可能。文章の要約・翻訳や、メール・企画書の文書作成、ソースコード生成などの幅広い知的作業を自動化できます。
機能:
質問に対する回答
文章作成・校正・添削・要約・翻訳
情報整理・タスク管理
画像・音楽の生成
プログラミング、ソースコード生成
特徴:
広範囲にわたる情報を学習しているため、質問に対して正確かつ詳細な回答が期待できる
会話の文脈や話の流れ、質問の意図まで読み取って回答してくれる
エッセイやレポートのような長文も生成可能
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料(Free)
$20/月(Plus)
$30/月/1人(Team)※月払い
問い合わせ(Enterprise)
概要:
Perplexity AIとは、Google AI出身のチームによって開発された対話型AIです。Webからの情報源を元に回答を生成する点が特徴的で、回答文中には参考にした出典元が一緒に表示されます。ユーザーが情報の信頼性を目視で確認できるため、正確性が高い情報を必要とする方におすすめのサービスといえるでしょう。また、ブラウジング機能で常に最新の情報に基づいた回答を提供してくれる点も魅力的です。
機能:
音声またはテキストで質問・回答
ガイド付きのAI検索
回答の自動要約機能
日本語を含む多言語に対応
独自のライブラリの設定、カスタム機能
特徴:
スマホやブラウザからログイン不要で利用できる
回答文と一緒に、根拠となる情報源も明示される
チャット履歴は専用のURLで保存できるため、いつでも見返せる
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
$20/月(プロフェッショナル)
概要:
AIチャットくんとは、LINE上でChatGPTが扱えるサービスです。面倒な会員登録やログインの必要なく、LINEで友だち追加をするだけで、誰でも簡単にChatGPTを利用できます。LINEのトーク画面にメッセージを送ると、AIが返答してくれる仕組みです。まるで人間とメッセージをやり取りしているかのような体感で、さまざまな質問に回答してくれます。
機能:
日常の疑問への回答、悩み相談
小説の創作・アイデア出し
英会話や翻訳
メール文章の作成
簡単な情報検索
特徴:
1日5通まで無料で利用可能。有料の「プレミアムプラン」に加入すれば無制限
雑談や情報検索、要約、翻訳、文章作成など、幅広い質問に対応可能
音声入力にも対応(OpenAIの音声認識モデル「Whisper API」)
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
980円/月(プレミアムプラン)
概要:
Notion AIとは、Notionというオールインワン型のノートアプリに搭載された対話型AIです。数十秒から数分で人間のような自然な文章を自動生成し、文章の書き出しや本文、要約、翻訳、スケジュール管理などのマルチタスクに活用できます。業務の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。無料プランでも一定回数利用でき、有料版でも、月額10ドルと比較的安価で利用しやすい点も魅力的です。
機能:
文章作成・要約・リライト
アイデア出し・ブレインストーミング
詩・エッセイなどクリエイティブストーリーの作成
メール・議事録・ToDoリスト・会議のアジェンダ作成
FAQ作成・表・ガントチャート作成
特徴:
文書作成やデータ整理など、繰り返し発生するタスクを自動化できる
メールや文書などを作成する際、レイアウトのバラエティが豊富
編集機能にも強みがあり、独自のカスタマイズ性も高い
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
1650円/月/1人(有料プランにカスタマイズ)
概要:
ChatSonicとは、Writesonicの一部として提供される対話型AIサービスです。テキストの生成や画像の作成、質問への回答、音声コマンド、ライティング提案など多彩な機能を備えています。Google検索と連携しているため、常に最新の情報を扱える点が強みです。また、自然言語処理と機械学習を活用し、ブログ投稿や製品説明文などのテキストコンテンツの生成が可能。加えて、文章へのアドバイスや文法チェック機能も提供しています。
機能:
テキスト生成・翻訳
画像作成
質問&回答
音声コマンド
Webサイトのコンテンツ生成
特徴:
無料プランでも多彩な機能を利用できる
多機能な画像・音声生成能力
テキスト生成とライティングサポート
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
$15/月(Chatsonic)
$20/月(Individual)
$99/月(Standard)
要問い合わせ(Enterprise)
※月払い
概要:
LLaMAとは、FacebookやInstagramなどを運営する「Meta」が開発した対話型AIです。オープンソースのLLMであることが最大の強みで、Metaにリクエストさえ送れば、誰でも簡単に無料で利用できます。商用利用も可能。少ないパラメータで高度なパフォーマンスを実現できるため、運用時の負荷が小さい点も特徴的です。
機能:
質問・応答
文章の自動生成、要約、翻訳
コーディング作業
高性能な英語処理能力
高度な情報検索システムの開発
特徴:
オープンソースで利用できる
無料での商用利用が可能
主要なクラウドプロバイダーやモデルAPIプロバイダーなど、幅広いプラットフォームで利用可能
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
具体的な料金プランは要相談
概要:
YouChatとは、検索エンジン「You.com」の一部として提供される対話型AIです。キーワードを入力すると、関連する検索結果と共にYouChatによる回答が表示され、その回答から会話を続けることが可能です。最新のニュースや情報を引用した時事問題のリサーチに強く、論理的な推論による問題解決が得意です。無料で利用でき、会員登録も不要なので、誰でも利用しやすいサービスといえるでしょう。
機能:
会話型検索
キーワード検索
リアルタイム情報検索
ソースの透明性
継続的なサービスの更新
特徴:
基本無料で利用できる対話型AI
最新情報の迅速な提供
論理的推論による問題解決に強み
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
$15〜/月(YouPro)
要問い合わせ(Organizations)
概要:
Siriとは、Apple製のiPhoneやiPadなど、iOSデバイスに標準搭載されている音声アシスタントです。「Hey Siri」と呼びかけるだけで音声を認識し、いろいろな情報を調べたり、希望の処理を実行してくれたりします。例えば、天気やニュース、株価など、さまざまな情報を音声で取得できるだけでなく、カレンダーへの予定の追加、タイマー・リマインダーのセット、文章の翻訳のような実用的なことにも対応可能です。
機能:
情報検索
タスク管理
メッセージ送信・電話
音楽再生
翻訳
特徴:
音声で操作できるため、両手がふさがっているときでも便利
情報検索やタスク管理を効率化し、時間を節約
スマートホームと連携すれば、より快適な生活を送れる
対応OS:
iOSデバイス
料金:
無料
概要:
Googleアシスタントとは、Googleが開発した人工知能を搭載したバーチャルアシスタントです。「OK Google、今日の気温は?」のように、音声で質問すると、検索結果を音声で伝えてくれます。リマインダーの設定や予定の確認など、スケジュール管理のサポートも可能。スマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまなデバイスで利用できます。
機能:
音声による検索
タスク管理・翻訳
スマートホーム制御
音楽再生
情報リサーチ
特徴:
対応するスマート家電を音声で操作
ニュースやスポーツの結果、株価など、さまざまな情報を音声で取得できる
YouTube MusicやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスを音声で操作
対応OS:
iOS
Android
料金:
無料
概要:
Microsoft Copilotとは、MicrosoftがブラウザやWindow OS向けに提供する対話型AIです。作業ウィンドウを開き、自分のやりたいことを伝えるだけで、タスクの実行や情報の検索、コンテンツ生成などが行えます。Microsoft 365アプリと連携し、アプリの機能を拡張すれば、ExcelやPowerPointと連携して表・図の作成やデータの解析をしたり、メールの返信内容の提案をしたり、簡単な指示だけでプレゼン資料を作成したりできます。
機能:
テキストや音声、画像機能を使用したチャット
文章や画像コンテンツ生成
ドキュメントやWebページの要約
Designerでのイメージ作成(旧称 Bing Image Creator)
プラグインとCopilot GPTの使用
特徴:
Microsoft 365との連携で、作業を大幅に効率化
Bingの検索エンジンを搭載。Web上を検索して、最新情報を取得
デザインスキルがなくても、思い通りの画像を瞬時に作成できる
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料(Copilot)
3,200円/月/1人/税別(Microsoft Copilot Pro)※個人向け
4,497円/月/1人/税別(Copilot for Microsoft 365)※企業向け
概要:
Claudeとは、Anthropic社により開発され、2023年3月14日にリリースされた対話型AIです。ChatGPTと同様に、人間と自然な会話ができ、さまざまな質問に答えたり、文章を作成したりできます。最新版のClaude 3.5 Sonnetでは、最大20万トークンのプロンプトを処理できるため、特に長いテキストの読み込み能力が高いです。長文の要約や翻訳、大規模なコーディング作業などに活用できるでしょう。
機能:
テキスト生成
長文要約・翻訳
複数ファイルの読み取り
コーディング作業
API連携
特徴:
1度に処理できるプロンプト量が多い。長いテキスト・コードの処理に対応可能
出力される回答の信頼性・安全性が高い
Artifacts機能を活用すれば、Webコンテンツの制作やアプリの開発、プレゼンテーション資料の作成などが容易に
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料(Free)
$20/月/1人(Pro)
$30/月/1人(Team)
概要:
Geminiとは、2023年3月に公開されたGoogleの対話型AIです。人間のような自然な文章を生成したり、複雑な質問に答えたり、さまざまなクリエイティブなタスクを実行できます。高精度な推論能力が大きな特徴で、膨大かつ複雑な情報を読み込ませても、インプットデータを迅速に理解できるため、長文テキストの内容を要約したり、複数画像から特徴を抽出したりすることが可能です。
機能:
テキストの生成・要約・翻訳・校正
情報の検索、音声入力
画像の認識、解析、解説
画像・コード生成
論文や数学など問題の解説
特徴:
自然な受け答えが魅力的
最新情報をリアルタイムで取得
ビッグデータに基づく正確な回答
対応OS:
Windows
macOS
iOS
Android
料金:
基本無料
上位プランあり
(出典:Notta)
Nottaとは、98.86%の高精度な音声認識で、1時間の音声をわずか5分で文字起こしできるAIツールです。音声・動画・URLの文字起こしやリアルタイムでの文字起こしなどに活用できます。また、AIによる文章の自動校正や翻訳・要約にも対応可能。文字起こしデータはアプリ上で編集したり、docx・txt・pdfなどのさまざまな形式で出力したりできます。
Notta AIを活用すれば、さまざまな作業を効率化・サポートできます。例えば、Ask AI機能では、AIに追加の質問を投げかけることで、よりニーズに合わせた内容を出力できます。カスタムテンプレートを活用すれば、ユーザーごとのニーズに応じて、より具体的でカスタマイズされた内容を出力可能。また、プロンプトの最適化も可能で、利便性の向上が期待できます。AIチャットボットも扱いやすいです。ぜひご活用ください。
対話型AIは、その柔軟性と高度な機能から、さまざまな業界で活用されています。ここでは、具体的な活用事例を3点ご紹介します。
顧客からの問い合わせに24時間365日対応し、FAQの回答や商品情報の提供、注文受付などを自動化します。過去の購入履歴や問い合わせ内容に基づいて、一人ひとりに合った商品やサービスをリアルタイムで提案できるので、オペレーターの負担を軽減したり、顧客満足度の向上につながったりするでしょう。
顧客の問い合わせに自動で回答できれば、これまで従業員が行っていた業務の負荷を軽減できます。また、請求書や領収書などのデータを自動で入力すれば、事務作業の効率化も図れます。他にも、会議室の予約や出張の手配など、スケジュール管理を自動化することも可能です。
対話型AIは、学生の質問にリアルタイムで回答し、学習効率の向上にも役立てられています。また、学生の学習状況に合わせた教材を推薦したり、外国語学習をサポートしたりすることも可能です。
ここでは、対話型AIの課題・利用時の注意点について3点解説します。
対話型AIを利用する際は、必ずセキュリティ対策や個人情報の取り扱いについて確認する必要があります。その理由は、継続的に学習を続けるAIがハッキングやサイバー攻撃の対象となりやすく、悪意のある者によって機密情報が漏洩するリスクが存在するからです。それを防ぐために、データ暗号化などのセキュリティ対策やプライバシーポリシーの扱いが意識されたサービスかどうかを見極める必要があるでしょう。
対話型AIが提供する情報は、必ずしも正確とは限りません。企業情報や人物のプロフィール、業界の最新動向などに関する質問に対しては、誤った情報や古い情報が提供されるリスクが存在します。特に、専門的な知識や最新情報が必要とされるシーンでは、必ずファクトチェック・エビデンスチェックを心がけましょう。
対話型AIは、差別的な発言やヘイトスピーチを助長したり、虚偽情報を拡散したりするなど、倫理的な問題を引き起こす可能性があります。サービスを利用する際は、確認したいポイントです。
今回は「対話型AI」に焦点を当て、その概要やチャットボットとの違い、注目理由、メリット、選び方、おすすめのサービス12選、活用事例、対話型AIの課題・注意点などについて解説しました。
対話型AIは、日々進化を続けており、ますます私たちの生活に身近な存在になっていくでしょう。将来的には、人間とAIがより自然な形でコミュニケーションを取り、さまざまな分野で新たな可能性が開かれることが期待されています。本記事を参考に、いろいろなサービスを試しながら、自分にとって最適なサービスを見つけてみてください。