グループインタビュー

グループインタビューのやり方やコツを解説|市場調査をよりスムーズに

新商品の開発や既存商品の改良など、マーケティング施策を考える際には、事前に定性調査を行うことが多いです。

定性調査の手法のひとつであるグループインタビューは、消費者の意見を多く収集するのに適しており、よく利用される手法です。

本記事では、グループインタビューについて詳しく解説します。

施策を講じるのにグループインタビューを取り入れることを考えているのであれば、ぜひ一度目を通してみてください。

グループインタビューとは

グループインタビュー(FGI)とは、進行側となるインタビュアーと回答側のインタビュイー複数の人が集まって、特定のテーマについて話し合うインタビュー形式のことです。

特定のテーマに対して個々の評価や意見を同時に収集するのに適しており、効率よく市場調査を行えます。

それだけでなく、参加者同士のディスカッションを行うことで、集団としての意見や行動原理を知ることができます。

デプスインタビューとの違い

グループインタビューが複数人を相手にする形式であるのに対し、1対1で行う形式をデプスインタビューと呼びます。

デプスインタビューはインタビュイーの意見や経験などを掘り下げて質問していくことができるため、その人に対する知見や思想などを深く知ることができます。

グループインタビューとデプスインタビューの違いについて、下記表にまとめます。

項目名 グループインタビュー デプスインタビュー
対象人数 2~8人 1人
目的 特定のテーマや商品に対して、個々の評価や意見を同時に収集
集団での意見や行動を原理も調査
対象者の深く掘り下げた意見や思想を収集
思いがけない意見や意思決定までの過程、センシティブな内容など も調査
適したテーマ 新商品や既存商品、サービスなどの評価 新商品やサービスの開発秘話や、開発に至った理由
実施時間 90~120分 60分

デプスインタビューについて詳しく知りたい方は、下記記事も合わせてご覧ください。

【初心者必読|デプスインタビューのコツや使い分けまで徹底解説】

グループインタビューのメリットとデメリット

それぞれを簡潔にまとめます。

メリット

・一度の複数人の意見を収集でき、効率よく市場調査などを行える

・インタビュイー同士の相互作用により、より多くの意見を収集しやすい

・表情や雰囲気など、言葉以外の情報を多く収集できる

・短時間で多くの情報を収集できるため、デプスインタビューと比較して安価で収集できる

・グループ同士の意見の差を確認できる

多くのメリットは、複数人を同時に相手にすることができることによる情報収集の効率化に関係しています。

会話内容だけでなく、その場の雰囲気や会話中の表情、参加者同士の交流による新しい知見など、多くの情報を収集できるでしょう。

特にインタビュイー同士のディスカッションは、普段聞くことができない意見を聞くことができ、これまで意識していなかった新たなアイデアなどが見つかるきっかけになります。

複数グループに分けてディスカッションを行うことで、各グループで生じた意見の違いを比較するのにも役立ちます。

デメリット

・進行役であるインタビュアーの技量により得られる情報に差が出る可能性がある

・全体的な意見にインタビュアーが影響されてしまう可能性がある

・強いパーソナリティを持つ人に影響を受け、全体的な意見に偏りが出る可能性がある

・人数が多くなればなるほどコストがかかる

・日程調整に時間を要することが多い

・積極的に参加できないインタビュイーが出てくることがある

特出したパーソナリティを持つ一個人の影響だけで、グループインタビューの良さが消えてしまう可能性があります。

そのため、進行役であるインタビュアーにかかる負担は比較的大きく、技量が重要になります。

人選方法によっては、あまり積極的に話ができない人や、周囲に強いパーソナリティを持つ人がいると声を上げづらく感じてしまう人がいる可能性もあるため、インタビュアーが積極的に場をコントロールしていかなければなりません。

それ以外では、人数が多くなる分、事前準備の段階で行わなければならない作業が増加してしまうことにも注意しておかなければなりません。

グループインタビューのやり方・流れ

グループインタビューの主な流れをご紹介します。

1.事前調査・企画立案

始めに「何について調査したいのか」「なぜ調査したいのか」「調査した結果何を得たいのか」などをしっかりと考えておく必要があります。

この場で決めた内容は、今回行うグループインタビューの軸となるため、明確に示しておくことが大事です。

軸を決めておけば、作業中に選択で迷ったとしても軸が指針となり、円滑に進めるための力となるでしょう。

この段階で対象者の人数や必要機器の数なども把握できるため、インタビュー会場の手配や機器の手配も行います。

2.対象者の選定

実際にグループインタビュー時に参加していただく人を選定します。

グループインタビューの目的に沿った人物を選定するのがもっとも重要ですが、完全にマッチする人ばかりではありません。

そのため、対象者を選定する場合は、先に選定する際の条件を優先順位が高い順に書き出しておくことをおすすめします。

作成が完了したら書き出した条件に従い、マッチする人を選定します。

商品の評価を行う場合など、多数の方を対象としてグループインタビューを行いたい場合は、グループを複数に分けてグループインタビュー実施をすれば、より多くのデータを得ることができるでしょう。

3.事前知識の吸収

インタビュアーがモデレーターとしてスムーズにインタビューを進行させるためには、事前に自身で調べられる情報は全て集めておき、覚えておくことが大事です。

4.インタビューフローの事前準備

実際にグループインタビューを行う際のインタビューフローを作成します。

質問内容や質問する優先順位、時間配分などをまとめておきます。

インタビューは時間通りに進まないことが多いです。

そのため、必ず聞いておきたい質問などは冒頭に配置しておき、フロー通りに進んでいない場合は優先順位が低い質問に対するディスカッション時間を短く調整するなどの工夫が必要です。

インタビューフローを事前に準備しておけば、モデレーターが柔軟に対応するための手助けとなるでしょう。

インタビューフローの構成作りや盛り込むべき質問内容などを確認したい場合は、以下の記事も合わせてご覧ください。

【インタビューを成功に導く質問の作り方|構成の作り方から会話のテクニックまで】

5.グループインタビューの実施

グループインタビューは一般的に1グループ2~8人、90~120分の範囲で行うことが多いです。

当日は時間に余裕を持って準備を行い、インタビューを快諾してくださった各対象者に失礼がないように出迎えます。

目的とする情報を得ることができるように頑張りましょう。

6.各種資料の作成

グループインタビューが終了したあとは、収集した情報をまとめて分析を行います。

録音、録画データがある場合は文字起こしを行い、議事録を作成します。

得られた情報の分析結果、それにより導き出される今後の方針、アイデアなどを伝わりやすいようにまとめましょう。

7.報告・発表

調査結果を報告・発表します。

報告・発表後のフィードバックは必ずまとめておき、次にグループインタビューを行う際の改善点としましょう。

Nottaを利用してグループインタビューの会話に集中しよう

Notta

Nottaは高精度の音声認識とAI要約機能を搭載した文字起こしサービスです。Web版・アプリ版どちらにも対応し、ご自身でお持ちのノートパソコンや携帯電話をそのままデバイスとして使用できます。

インタビューの録音データは、データ分析を行う際には欠かせないデータです。

Nottaを利用することでインタビュー時はメモを取ることに集中する必要はなく、会話のみに集中することができます。

それだけでなく文字起こし作業をAIに手助けしてもらうことで、作業効率を改善でき、データの分析作業に注力することも可能です。

性能も高く、リアルタイムの文字起こしと翻訳機能を提供し、5時間の音声ファイルを数分以内に迅速にテキスト化することができます。

また、PCを使用して音声変換や編集を手軽に行うことができます。

ぜひ一度、インタビュー調査のツールのひとつとして、利用してみてください。

よくあるご質問

グールプインタビューについて、よくあるご質問を紹介します。

Q.グループインタビューの司会者は誰ですか?

A.質問をする人が進行役(モデレーター)を務めることが多いです。

Q.グループインタビュー 何人?

A.一般的に1グループ2~8人がおすすめです。

Q.FGIの目的は何ですか?

A.定性調査を行うことで、さまざまな意見や情報を収集するのが主な目的です。

Q.インタビューの謝礼はいくらですか?

A.対象者へ渡す謝礼金の相場は幅広く、2,000~15,000円程度です。

 専門的な内容のインタビューを行う際などは更に費用がかかるでしょう。

Q.インタビュー記事の料金はいくらぐらいですか?

A.インタビュー記事の相場は1記事30,000~50,000円程度です。

 記事の作成を専門ライターに依頼する場合は、更に費用がかかるでしょう。

まとめ

定性調査の手法であるグループインタビューは、多くの情報を得ることができるため、マーケティング施策を行う際の指針となります。

オフライン、オンラインどちらでも開催することができますが、対面で行うほうが参加者の雰囲気などを感じることができるためおすすめです。

事前に準備しておくことも多いため、可能な限り機械やAIなどに代替できる作業は任せてしまい、インタビュー自体に集中できる体制を整えておきましょう。

ぜひインタビュアーとインタビュイーどちらも楽しく、有益な情報を得られるグループインタビューを開催しましょう。

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