インタビュー質問の作り方

インタビューを成功に導く質問の作り方|構成の作り方から会話のテクニックまで

インタビューは相手に都合をつけてもらい、時間を分けていただく行為にほかなりません。

失礼のないように振る舞うのはもちろんのこと、事前準備を確実に行い、スムーズな進行を心掛けることが大切です。

本記事では、準備段階でのリサーチのコツから実際にインタビューを行う際のポイントまで丁寧に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

インタビュー質問の作り方の流れ

インタビュー質問の作り方

インタビューで聞く質問は、事前準備の段階で整理してまとめておく必要があります。

しかし質問を考える前に、質問する相手について、お聞きする商品について何も知らなければ、何を質問すればよいかわかりません。

インタビューは事前準備の段階で徹底したリサーチを行い、集めた情報を元に会話の流れを構築していくことが大事です。

取材相手(インタビュイー)について徹底的にリサーチ

徹底的にリサーチしたことは、実際インタビュイーにも伝わります。熱意や誠意がインタビュイーに伝われば、相手も応えてくれるでしょう。

リサーチの仕方は以下のようにいくつか方法があります。

  • Web記事、プレスリリース、過去のインタビュー記事を読む

  • 経歴を確認する

  • 公式HPを読む

  • 書籍を読む

  • SNSを確認する

  • 人づてで聞く

  • 体験する(商品の場合)

徹底した情報収集を心掛け、可能な限り調べ上げることをお勧めします。

インタビューのゴールを設定

インタビューをする際は、インタビュー後に制作する記事において、何を伝えたいか明確に決めておくことが大事です。

ゴールを決めておくと、話ながら会話が脱線していないか感じ取ることができるでしょう。

ダラダラと話をしているだけで一向に会話が進展しなかったり、話の流れから終着点が見えてこないと、インタビュイーは疲れてしまいます。

お互いが気持ちよく会話を続けるためにも、インタビューのゴールを設定しておくことは大切です。

質問のカテゴリを決める

質問事項を考える前に、大枠となる質問のカテゴリを決めておけば、質問事項をまとめる際に整理でき、インタビュー構成を考える際の助けにもなります。

大まかなカテゴリを先に決めておけば、インタビュー構成を考える際に文章の整理がしやすくなり、抜けている質問に気がつくかもしれません。

箇条書きする場合でも、カテゴリ分けをして箇条書きをすると情報が整頓され、見やすくなります。

ひとつずつ段階を踏んで構成を考えるために、しっかりとカテゴリを決めていくことが大事です。

質問の優先順位を決める

カテゴリを決めたあとは細かく質問事項を決めていきますが、質問事項に優先順位をつけることで、確実に聞いておきたい部分を把握できます。

インタビューは時間を分けていただく行為です。分けていただいた時間内に全ての質問を終えることができない可能性もあります。

肝心なことを聞き逃してしまった。などといったことになっては、せっかく時間を分けていただいたのに相手に申し訳ありません。

優先順位をつけておくことで、時間が迫ってきた際、まだ聞き逃している部分があるか確認することもできます。それ以外にも、インタビューではなく、質問シートなどで事前に聞ける内容であるか判断することもできるため、お勧めです。

質問シートを取材相手に事前に共有する

取材相手によっては、事前に質問される内容を把握し、質問に対する回答を作成しておきたい人もいます。

それだけではなく、インタビューで聞かずとも、事前に質問シートなどを利用して記入していただくだけでよい場合は、記入していただくだけという方法を選択可能です。

質問シートを作成、事前共有しておくことで、インタビュー当日の時間短縮にも繋がり、お互いの情報整理にも繋がります。

インタビューで聞く内容をお互いがしっかりと把握でき、会話のネタにもできるため、質問シートは分かりやすいものを作成、共有しておきましょう。

スムーズなインタビューを行うための質問文の作り方

事前準備が滞りなく、万全の態勢でインタビューに望むことができたとして、会話のテンポが悪かったり、オドオドした雰囲気を出してしまったりすると、相手も不安になってしまいます。

流れるような会話、うまく話を広げるための技術を紹介していきます。

オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンを理解する

質問という行為には、大きく分けてオープン・クエスチョンとクローズド。クエスチョンの2種類あります。

オープン・クエスチョン

相手に自由に答えてもらう形式です。

例:〇〇はいかがでしたか? / 〇〇についてどうお考えですか?

相手に考えや気持ちを自由に答えていただくため、深い内容まで聞ける可能性があります。話も広げやすく、さまざまな情報を得られます。

反面、タイミングによっては相手が答えづらくなったり、話が抽象的になりすぎたり、意図していない答えが返ってきたりすることもあります。

大事なのは、ある程度前提条件を提示し、投げかけるタイミングを見極めることです。インタビュー冒頭にいきなり聞くより、中盤に挟むようにするのがコツです。

クローズド・クエスチョン

相手の回答の範囲を限定した形式です。

例:Aの味とBの味どちらが好きですか? / 〇〇商品は好きですか?

事実確認をしたいとき、相手の考えを明確にさせたいとき、白黒はっきりとした明確な情報を得られます。インタビュー開始直後やアイスブレイク時にも使いやすい質問形式です。

ただし、会話のキャッチボールが一往復しただけで完結してしまい、話が広がらないこともあります。多用しすぎると、一方的に質問を投げかけているような悪い印象を与えてしまうかもしれません。

クローズド・クエスチョンを使用する場合は、できるだけ使用する頻度は下げるように注意しましょう。使用する場合も、次にする質問も事前に想定しておき、会話の流れが止まらないように留意する必要があります。

「6W2H」フレームワークを意識する

質問構成を作成する際は「6W2H」フレームワークを意識して構成を考えてみましょう。

具体的には以下のとおりです。

  • いつ(When)

  • どこで(Where)

  • 誰が(Who)

  • 何を(What)

  • なぜ(Why)

  • どちらが(Which)

  • どのように(How)

  • いくら(How many)

前述したように質問事項をカテゴリに分けたあと、各カテゴリごとに「6W2H」フレームワークを当てはめて、質問事項を再度考えてみましょう。

数多くの質問を作ることができます。カテゴリごとに「6W2H」の中ではマッチしない内容も出てくるため、取捨選択もしやすくなります。

「過去」、「現在」と「未来」の話をする

インタビュー時は「現在」についてまず聞き始めるような流れを意識してみましょう。

「現在」に関する話は相手も話しやすいです。ですが「過去」「未来」に関しては、答えるまで相手が考え込んでしまうかもしれません。

「現在」は〇〇である

「過去」は〇〇であった / 「未来」は〇〇であろう

インタビュー時の流れが「現在」から「過去」 / 「未来」に流れるような形式であれば、相手も話しやすく、分かりやすい説明をいただけるかもしれません。

良い質問と悪い質問例

良い質問と悪い質問が、どうしても存在してしまいます。考えた質問が、悪い質問にならないように事例を紹介していきます。

良い質問

・アイスブレイクで相手の緊張をほぐすための質問

例:先日認証を受けた〇〇認定、おめでとうございます。社内の様子はいかがですか?

特に初対面が相手の場合、初めの方は緊張していることも多いでしょう。アイスブレイクで相手の緊張をほぐし、距離を縮められるようにできるとよいでしょう。

例えば、相手の企業実績などについてお話を聞き、会話に弾みをつけてみてはいかがでしょうか。

・他メディアと差別化を図るための質問

例:商品の味についてよく聞かれると思いますが、作り手としてのこだわりはありますか?

インタビューを行っている企業がひとつだけとは限りません。差別化を図るためにも、普段とは違った切り口から質問を行うなど、独自性に富んだ質問を考えておくことをお勧めします。

例えば、新商品について聞く際、味について聞くのはもちろんのこと、材料、作り方、作る際の環境、作り手のこだわりなど、切り口は多く存在します。

・取材内容に関する専門分野の情報を調べた上でする質問

例:〇〇製品の材料〇〇に関して、他社ではあまり使われていない材料を今回使った理由は〇〇以外にありますでしょうか?

事前知識は時間の許す限り吸収しましょう。その上で専門分野に関する疑問点、着眼点に沿った質問ができれば、相手は安心して回答ができます。本来のテーマに沿った質問ができることにも繋がるでしょう。

例えば、徹底したリサーチを行えば、専門的な内容を引き合いに出し、他社との差別化を図る質問をすることが可能です。

悪い質問

・マイナスイメージを印象づけるような質問

例:一般的には〇〇はイメージがよくないのですが、なぜ使ったのですか?

取材相手にマイナスイメージを持たせてしまうような質問は避けましょう。インタビューは時間を分けていただいている行為です。マイナスイメージを持たせるような食い込み方ではなく、テーマに沿った深堀りをする質問を心掛けましょう。

例えば、既によくないイメージがついていることを連想させるような言い回しは相手によい印象を与えません。

・回答を誘導させてしまうような質問

例:〇〇を使えば〇〇になりますよね。今回はそれを狙って作戦を立てたということで合ってますか?

回答内容が一定方向に向いていたり、取材側が想定している回答になるように誘導するのは避けましょう。大事なのは相手に合わせることであり、相手に合わせてもらうことではありません。

例えば、「既に答えが出ていることを再確認する」といった質問はよい印象を与えません。友人同士の砕けた会話ではありがちかもしれませんが、インタビューの場では避けましょう。

・ひとつの質問に2つ以上の内容が含まれている質問

例:今回の行った〇〇改修によって、Aプログラムの抜本的な改善ができ、Bプログラムの更なる効率化にも繋がったとお聞きしましたが、それぞれどのような変化が見られますか?

一文一義を心掛けましょう。ひとつの文章(質問文)に2つ以上の意味を持たせてしまうと、一文が分かりにくくなったり、スムーズな回答を得られなかったりすることもあります。簡潔でわかりやすい質問文を心掛けましょう。

例えば、1項目に関して質問事項が2つあった場合、一つひとつ分けて聞くことを心掛けましょう。

よくあるご質問

Q.インタビューの質問の順番は?

A.できる限り時系列に沿った質問ができるように心掛けましょう。一般的には以下のような流れで行うことがよくあります。

  1. 挨拶

  2. インタビュー目的の再確認

  3. 相手のバックグラウンドの再確認

  4. 主題について質問

  5. 相手に補足などがないか求める

  6. 相手に質問などがないか尋ねる

  7. 締めの挨拶

あくまで一例であり、重視すべき点は会話全体を通しての流れです。端的な質問ばかりを繰り返すと、質問できる数は増えるかもしれませんが、印象は悪くなるでしょう。

Q.1時間のインタビューの質問数は?

A.1時間のインタビューであれば、多くても10個程度に抑えておくのがよいでしょう。質問数が増えすぎると「用意した質問を全てやらなければならない」といった考えが先行してしまうかもしれません。インタビューでは全体的な会話の流れがとても大事です。

Q.インタビューの終わらせ方は?

A.インタビューを終了する旨を伝え、時間を割いてくださった相手に対してしっかりと感謝の気持ちを述べましょう。相手が終了したい旨を伝えてきた場合は、同じように感謝の気持ちを述べたのち、終了しましょう。あまり時間を延ばさないことが大事です。アフタートークなどに移る場合もあります。その際は礼儀をわきまえた上で会話を楽しみましょう。

まとめ

インタビューは実際場数をこなして経験を積むことが重要だと言われています。

本記事で述べたポイントや流れを参考にしつつ、インタビュアーとインタビュイーがお互い気持ちよく会話ができるように心掛けていきましょう。

本記事ではインタビューのことを何度か「会話」と表現しています。インタビューは質問を投げかけるだけのものではなく、相手と楽しく会話をして創り上げていくものです。

相手の時間をいただいていることを忘れずに、事前準備を万全にこなし、お互いが気持ちよく会話できる環境を創り上げられることを願っています。

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