業界トップの正確率で作業効率爆上げ!
「せっかく時間をかけたのに本当に必要とする人材を採用できなかった」
採用でこんな失敗をした経験はありませんか?
このような失敗は、面接で確認すべきことや評価基準をあらかじめ決めておくことで防げます。そのために役立つのが面接評価シート。面接評価シートは、採用担当者がチェックする評価項目や質問などを記載したシートのことです。面接評価シートを用いることで評価する担当者同士の認識の差異を減らし、一貫した評価基準で採用の精度を上げることができます。本記事では、面接評価シートの作り方やポイントを詳しく解説しました。
面接評価シートとは、面接の際に求職者を評価するための評価基準を記したシートのことです。新卒採用面接や中途採用面接だけでなく、アルバイトの面接にも用いられることがあります。
採用面接の頻度は毎年、中途採用も含めれば毎月のように行われるものですが、明確な基準が存在せず面接官の主観により判断されてしまうケースも。細かくヒアリングすれば、まさに求めていた人材だったのに、個人的な印象で採用を見送ってしまった…こんな機会損失を防ぐのが、面接評価シートです。
「主体性のある人を採用したい」「コミュニケーション能力のある人と働きたい」と思っていても、主体性とは具体的に何を指すのか、会社にどんなコミュニケーション能力が必要なのかは曖昧。面接評価シートには、それを具体的に定義し基準を可視化することで求職者の本質と求める人材がマッチしているかどうかを正確に判断するという役割があります。
面接評価シートとは、求職者が自社が求める人材かどうかを測る物差しです。面接評価シートには、評価項目と採用の基準が記されています。面接評価シートの作成とは、企業が求める人材の定義を評価基準に落とし込むこと。また、面接質問をサポートする役割や、求職者のスキルや特性を可視化する役割もあります。
ここでは、面接評価シートの作り方を5つのステップに分けてみていきましょう。
〈面接評価シートの作り方5ステップ〉
面接で求める人物像を明確にする
評価項目をリスト化する
評価項目に優先順位をつける
新卒採用と中途採用に評価シートを分ける
面接合格の基準を決定する
はじめに、どんな人物を採用したいのか明確にします。このときのポイントは採用担当者だけで人物像を設定するのではなく、経営陣の意向、各部署の意向、採用担当者の意向などをバランスよくヒアリングすることです。インタビューをしたりアンケートを取ったり、さまざまな手法を活用しましょう。
求める人物像を決定するための指標は下記の3つ。
経歴・スキル・実績
コンピテンシー
仕事観
経歴・スキル・実績は特に中途採用面接において重視します。コンピテンシーとはハイパフォーマーに共通した行動特性のことで、端的に言えば会社が求める行動を取ることが期待できる特性があるか、ということです。仕事観は、企業理念との親和性が高いかどうかで判断します。
また、人物像を明確にする方法には、2つのアプローチ方法があります。まず、事業計画や現状の課題を考慮し、将来的にどんな人材が必要なのかを検討してください。続いて、現在社内で成果を上げている人物を参考に、スキルや実績などを設定しましょう。演繹的・帰納的という2つの側面から検討することで、より具体的な人物像が浮かび上がってきます。
人物像が明確になったら、評価項目を思い付く限りリスト化します。ここでは項目の重要度を議論したり優先順位を検討したりする必要はありません。アイデアが尽きてしまう場合は、ブレインストーミング法(相手の意見を否定せず、チームで思い付くかぎりアイデアを自由に出し合う手法)を採用してもよいでしょう。
スキルに関すること、コミュニケーションスキル、行動性など大きな枠組みから設計していくと効率的にリストが作成できます。
また、どの枠組みにも属さないものの業務に重要だと考えられることは「その他」として記録しておきましょう。項目として明記されなくても、面接評価シートの「備考欄」や「次回担当者への申し送り事項」などのフリースペースに書き込む内容の指標になる可能性があります。
続いて、リスト化した項目に優先順位をつけましょう。絶対に外せないもの、余裕があれば聞きたいもの、など項目を精査していきます。また、最も重要な質問を5、優先順位の低い質問を1などスコア化すると、「スコア〜以上で合格」というように合格基準を設けやすくなります。項目分けが難しければ、一次面接で聞くもの、二次面接で聞くもの、など面接のプロセス別に分類しても構いません。面接時間が延長されることのないよう、「これだけは聞いておきたい」という質問を選んでおきましょう。
新卒採用と中途採用では、使用する評価シートを分けるようにしましょう。新卒採用では社会人経験がない学生を対象としているため、スキルや実績に乏しいという特徴があります。一方、中途採用面接に参加する求職者はすでに就職経験がありますので、能力や経験を重視するよう意識しましょう。特に中途採用に関する質問では、求職者の経歴や実績の整合性を確かめられるような項目を設けることが大切です。まとめると、新卒採用ではポテンシャルを、中途採用ではスキルや経験を重視する内容にすると適切な判断ができます。
最後に合格の基準を明確にしてください。面接の評価をスコア化して合格ラインを定めたり、採用担当者の所感を参考に合否を判断したりするなど、さまざまな方法があります。もちろん、スコアだけで合否を判断する必要はありませんが、合格基準を定めておくことで合否をスピーディーに出せるでしょう。面接担当者や関連部署の社員など、複数の人で話し合い、定性的な要素も考慮して合否を出せるように工夫してください。
面接の合格ラインまで設定したら、スムーズに面接ができるかどうか、作成した面接評価シートをもとにシミュレーションを行ってください。
面接評価シートを作成する際のポイントは以下の4つ。
30分〜1時間の面接時間に収まるようにする
面接評価シートの内容は半年に1回を目安に見直す
各部署・各ポジションで内容のすり合わせをする
意外な質問で人間性を見る
ここでは、知っておくと面接評価シートの質がワンランクアップするヒントを紹介します。
面接評価シートの項目は、必ず面接時間を考慮した数にしましょう。質問項目の数が多いと、評価シートを埋めることが面接の目的となってしまい、適切な選考ができません。また、質問の数が多いと予定していた面接時間を延ばすことになり、面接に対する人材コストに負担がかかってしまいますし、面接参加者の時間も奪ってしまいます。
面接評価シートの内容は、半年に1回を目安に見直してください。会社の体制や社会情勢の変化に応じて、質問項目の優先度は評価ポイントは日々変化しているはずです。また、面接評価シートを実際に面接で使用して気づくことがあれば、その都度どんどん改善していきましょう。 もし経験上「〜はNG」「〜について詳しく聞きたい」などの気づきがあれば、どんどん追加していきます。もちろん不要な部分を思い切って削除することも大切です。
面接官により評価に対する認識にずれがあると、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。例えば「プログラミングの基礎的な知識がある」という項目があるとしましょう。このとき「基礎的な知識」とは具体的に何のことなのか、各部署・各ポジションで共通認識を持てるようにしてください。ある部署は「HTMLやCSSを何となく理解できればOK」と考えているが、ある部署は「実務的なRubyの知識くらいは欲しい」と考えているかもしれません。必ず項目の内容の定義は明確にしましょう。
求職者は必ず面接対策をしてから面接に臨んでいるものです。そのため表面的な質問ばかりでは、面接慣れした人ばかりが高評価を得ることになり、本質的な採用ができなくなります。そこでおすすめなのが「意外な質問」を加えること。例えばメーカーであれば「生まれて初めてのものづくりの経験は?」、教育系であれば「生徒に『宿題やりたくない』と言われたら、もうやって説得しますか?」など、意外な質問を加えることで、求職者の人間性を見ることができます。
企業や募集するポジションによって、面接評価シートに加える項目は異なります。しかし、どんな企業でも共通して入れておいた方がよい項目があるのも事実。ここでは、面接評価シートに入れるべき項目について解説します。
求職者がどれくらいの就職意欲を持っているかを確認できる項目は必須。採用難の企業の場合、就職意欲が低い求職者に向けて別途面接の場を設けるという対策ができるからです。志望動機を聞いたり、企業側への質問をあおいだり、就職意欲を確認できる質問は必ず加えましょう。
企業理念と求職者の仕事に対する価値観が一致することは非常に大切。ここにずれがあると、求職者が仕事に対して違和感を抱くようになり、結果的にパフォーマンスの低下や早期退職につながってしまうからです。
専門知識の有無を確認することは非常に重要です。特に中途採用の場合、業務に必要な知識があるか、業務に役立つようなプロジェクト経験があるかなどが、即戦力になるかどうかを大きく左右します。保有資格や職歴、前職での成功体験など、多角的な角度から専門知識の有無や実務経験の有無についての情報を得るようにしましょう。
ビジネスパーソンとして最低限の一般教養と論理的思考は、面接で必ず判断しましょう。一般教養とは社会人が仕事をしていく上で必要最低限の知識のこと。今すぐ現場で即戦力にならなくても、課題を正確に発見し、対処法を導き出すための論理的思考力があるかどうかは判断しておきたいところです。
「面接評価シートを作成したものの、表面的なやりとりだけで時間を消費してしまった」
「採用派と不採用派が分かれるような人材を、採用決定権のある人物が無理やり採用してしまった」
面接評価シートが適切に作られていないと、このような失敗を招く恐れがあります。ここでは、面接評価シート作成における失敗例をまとめました。
評価シート項目の定義が不明瞭だと、面接者により認識の差異が生まれ、採用精度が低くなってしまいます。例えば「コミュニケーション力が高い」という項目があったとしましょう。この場合、コミュニケーション力が高いとは具体的にどんな能力を指しているのでしょうか?
誰とでも良い関係を築ける力
クライアントの話を深く理解する力
相手を惹きつけるトーク力
会話からお客様のニーズを見抜く力
同僚にモチベーションを与える能力
など、定義をより明確にすることが大切です。そうすることで、企業としての認識がクリアになり、優秀な人材を採用したり採用後の退職率を下げたりといったメリットが生まれます。
面接評価シートの項目の順番と面接の流れは、なるべく一致させましょう。基本的には経歴や資格など表面的な質問から、個人的な体験や価値観など、少しずつ話題を深くしていきます。評価シートの項目の面接の流れが合っていないと、求職者の本来の姿を引き出すことができません。どうしたらスムーズかつ有意義な面接ができるのか、質問の順番にもこだわりましょう。
紙ベースで管理するにしても、データベースで管理するにしても、新卒採用と中途採用の評価シートは別々に作成するようにしましょう。新卒採用と中途採用で同じ評価シートを使ってしまうと、見極めるべき素質を見落としてしまったり、不必要な質問に時間をかけてしまったり、といったミスマッチが起きてしまいます。
サンプルでは、以下5つの大きな項目を設定しました。
スキル
思考力
パーソナリティ
コミュニケーション能力
その他
スコア評価欄の隣にメモスペースを作成し、スコアを裏付けするデータを書き込めるテンプレートとなっています。また、「回答ができれば3」「1つ答えられれば3」など、スコア採点の基準も明記しました。自由に書き込める欄を設ければ、懸念事項や他の採用担当者への伝言などをメモできます。
スキルの部分は、必要最低限の知識を確認するにとどめてください。特に新卒採用の場合は、土台となるスキルがあるかどうかを確認するだけで十分です。
思考力は知識や経験をもとに考える力を指します。思考力には「論理的思考力」「多面的思考力」「批判的思考力」の3種類がありますので、バランス良く確認しましょう。
パーソナリティの部分は、個人の人格を判断するのではなく企業風土や志向性などを考慮し、あくまでも企業の価値観とマッチするかを判断することに重点を置いてください。コミュニケーション能力とその他の能力は新卒採用と中途採用で共通利用しても構いません。
実は面接評価シートのように社内で同一基準を設け採用を行うタイプの面接はGoogle社でも採用されており、「成果を出す人材を見極める効果がある」とされています。一方、このような面接にはデメリットも。ここでは、面接評価シートのメリットとデメリットを解説します。
企業の採用基準に一貫性を持たせることができる
無駄な質問がなくなり、面接の精度が上がる
求職者に関する情報共有が簡単になる
面接の記録として将来的にも活かすことができる
面接における抜け漏れがなくなる
公平な審査ができるので人材の取りこぼしがなくなる
結果的に入社後の退職率を下げることができる
面接に不慣れな社員でもスムーズに面接官を務められる
候補者が多い場合、評価シートがあったほうが効率的になる
面接評価シートのメリットは、求職者に対して客観的な評価ができ、面接者によるばらつきを最小限にできることです。社長や幹部が採用を担当しても、その人材が現場で高いパフォーマンスを発揮できるとは限りません。採用の方向性と基準に一貫性を持たせるという意味では、面接評価シートは非常に有効なツールだといえるでしょう。
作成と運用に手間がかかる
スコアを付けることが目的化してしまう
作成後もPDCAを回してブラッシュアップする必要がある
面接慣れしている求職者を高く評価してしまう
面接を受ける側に機械的で冷たい印象を与えてしまう
面接が形式的なものになり、求職者の潜在的なスキルを見逃してしまう
作成コストと運用コストがかかる点は、面接評価シートのデメリットです。時間をかけて車内で協議を重ねる必要があり、次年度の担当者への引き継ぎ作業や内容のブラッシュアップといった業務も発生しています。とはいえ、面接評価シートのメリットはデメリットを上回るものがありますので、たとえコストが生じたとしても取り組む価値はあるでしょう。
面接評価シートは一度作成して終わりではありません。あくまでも採用プロセスにおける基準となる資料の一つであり、より採用の精度を上げ会社とのミスマッチが起きないよう常にブラッシュアップを意識してください。
また、大切なのは面接評価シートの内容を埋めることではなく、求職者と対話をすることです。表面的な質問にとどまることなく、興味深いエピソードを掘り下げたり、相手によって話題を広げたり、実質的なコミュニケーションを心掛けましょう。
最後に、エクセルやNumbersなどの表作成ソフトで面接評価シートを保存する場合は、意図せず関数式を削除したり、他のページと一緒に第三者に送ってしまったりすることのないよう注意してください。
Nottaは音声を文字起こしできるAI搭載ツールです。文字起こし精度は98%を誇るため(Notta調べ)手書きするよりも簡単に、タイピングするよりも効率的に音声情報をテキスト情報に変換できます。
リアルタイムで音声を録音しながら文字起こしができますので、面接の音声を録音しながら文字化しメモ代わりとして活用することも可能です。また、録音データをアップロードしてから文字化することもできますので、テキスト化したい音声データがたまっている…なんて場合にも便利。もちろん面接評価シートに関する会議の議事録作成ツールとしても活用できます。
また、Nottaでは業界トップクラスのコンプライアンス体制を整備した上で、ユーザーのデータを厳重に管理しています。サービスはSOC 2やGDPR、CCPAなどアメリカやEUが制定する規格に準拠しているため、人材に関する重要なデータが外部に漏れてしまうこともありません。
Nottaは日本語に特化した国内最先端AI音声文字起こしツールです。
公務員向けの面接評価シートも基本的には一般企業の評価シートと同じ手順で作成できます。しかし、公務員の場合は社会性や自己統制力が求められることが多いので、それらのポイントを折り込んで面接評価シートを作成しましょう。また、自治体によっては共通の評価シートを使用しているところもあります。
基本的には率直な感想を記入すればOKです。
専攻内容と経験から判断して採用しても良いと考えられる。ただし志望動機が「やりがいのある仕事だから」というややありきたりな点が気になった。
学生時代の失敗体験について、想定される失敗原因を5つ以上挙げていた。論理的思考が得意でチャレンジ精神が旺盛と推察される。
営業職を希望とのことだったが、性格からしてバックオフィスの方が向いているのでは?という印象を受けた。性格的に会社組織に向いていると感じる。
0から点数を加点していく加点方式と、満点を設定した上で点数を減らしていく減点方式があります。加点方式は相手の良いところに目を向ける手法で、原点方式は相手をより精査するための手法です。
A4の1ページがベストです。A4に収まるボリュームという意味でも最適ですし、ファイリングする際も1ページずつ簡潔に保管できるからです。
ペーパーベースでも、データベースでも構いません。データベースの方が複数の記録を検索したり比較検討したりするのに便利です。労働基準法第109条では、面接評価シートを含む労働に関する重要書類を少なくとも3年間保管することを義務付けています。ペーパーベースでもデータベースでも、年度ごとに分けて保管するなど、管理を徹底しましょう。
面接評価シートの作成を任せられた人事担当の方。あなたは経営陣や現場スタッフの意向を背負い、会社に必要な人材を発掘するコーディネーターです。面接評価シートを用いることで、採用担当者による主観的な評価を防ぐことができます。最初から完璧な面接評価シートを作るのではなく、トライ&エラーを繰り返しながら少しずつ着実に理想のシートへ近づけていきましょう。