営業フロー

営業フローとは?基本的な流れや場面別の営業フローの特徴、作成するメリットなどについて解説

企業の売上に直結することから、重要な部門だといえる営業部。営業の手法は多種多様なこともあり、自社の営業活動を見直した際に、業務が属人化されていることに悩む経営者の方は少なくありません。

そこで本記事では、営業活動を可視化したものである「営業フロー」の概要や、基本的な流れなどについて解説していきます。また、場面別の営業フローの特徴や営業フローを作成するメリットなども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

営業フローとは

営業

営業フローとは、営業活動全体における具体的な営業手法を可視化したものです。営業に必要な事前準備から商談を経て契約に至るまでの流れや、シーンごとの対応方法などを言語化・視覚化しており、営業活動の「マニュアル」や「ガイドライン」ともいえるでしょう。

営業フローがあることで、営業担当者は迷ったりうろたえたりすることなく、やるべきことを確認しながら営業活動を進められるようになります。

営業フローと営業プロセスの違い

営業フローと混同されがちな言葉に、営業プロセスがあります。どちらも営業の流れを見える化したものであるという点は同じですが、可視化の度合いが異なっています。

営業プロセスは営業活動の一連の流れ、いわゆる「骨組み」を表したものです。営業工程の大枠とも考えられ、各工程における具体的な手順までは可視化されません。

一方、営業フローはそれぞれの工程をさらに深掘りしたものであり、詳細なオペレーション手法までもを見える化しています。

さまざまな業務をこなすには、大枠となる営業プロセスだけでなく、細部のアクションまで可視化された営業フローが必要となってくるでしょう。

営業フローの基本的な流れ

ここでは、営業フローの基本的な流れについて解説していきます。自社にとって適切な営業フローは取り扱う商材や営業担当者のスキルなどによって変わりますが、まずは一般的な営業フローについて理解しておくとよいでしょう。

見込み顧客の獲得・アプローチ

最初に、自社の商品・サービスに興味を持ち始め、将来的に購入の可能性がある「見込み顧客」を獲得していきます。

見込み顧客を獲得する主な方法はオフラインとオンラインに分かれており、状況に合わせて組み合わせながら活用するとよいでしょう。オフラインで獲得する方法はDMや資料送付・展示会・セミナーなどで、オンラインで獲得する方法としては、Webプロモーションやウェビナー・オウンドメディアなどが挙げられます。

見込み顧客がある程度獲得できたら、電話やメール、DMなどを通して積極的にアプローチしていきましょう。

情報提供とニーズのヒアリング

アプローチ後に反応がよかった顧客には、直接訪問するなどして商品やサービスの詳細を伝えます。必要に応じてプレゼンテーションを行うなどすると、自社商品・サービスの魅力が伝わりやすいでしょう。

なお、成約率を上げるには顧客ニーズを捉えることが重要になってくるため、営業活動のなかで丁寧にヒアリングを行うことを心がけます。「相手がどんな問題を抱えているのか」「何のために商品・サービスの導入を検討しているのか」などをつかむことで、その後の提案につなげやすくなるでしょう。

顧客のニーズを引き出すには、「SPIN話法」などのほかの営業手法を組み合わせることも効果的です。

SPIN話法については以下の記事でくわしく解説していますので、ぜひ併せて参考にしてください。

SPIN話法のメリットとは?質問の具体例や活用する上でのポイントなども紹介

提案・見積

ヒアリングを通して顧客ニーズを把握できたら、自社商品・サービスの提案へと移ります。聞き出した顧客ニーズにマッチした提案を行うことで、成約に至りやすくなるでしょう。

商品・サービスの魅力や顧客が享受するメリットを伝えることはもちろん、導入事例や具体的な活用方法なども提示することで、納得感のある提案が行えます。

顧客が提案を受け入れる姿勢を見せたら、見積書を作成しましょう。

クロージング・受注

契約の意思が確認できたら、クロージングへと移ります。クロージングは、商談を成約に結びつける重要なフェーズです。

ベネフィットを提示したり、フォローを徹底したりしながら、タイミングを見計ってクロージングを行いましょう。

クロージング後問題がなければ受注となり、営業活動はゴールを迎える形となります。

BtoB・BtoCにおける営業フローの特徴

営業フローは、BtoB営業かBtoC営業かによって、流れや注意点などが異なります。ここでは、それぞれの営業フローの特徴などを解説しますので、違いを理解しておきましょう。

BtoBにおける営業フローの特徴

法人を相手にする営業スタイルであるBtoBの場合、基本的な営業フローは前述したものと大きく変わりません。

ひとつ注意したいポイントとして挙げられるのが、商談相手が決裁者でないケースが多い点でしょう。対象が役員などではない場合、意思決定のプロセスが複雑になりやすく、決裁までに時間がかかってしまう可能性があります。

そのため、可能であればアプローチの時点で意思決定に関わる人物を特定し、直接商談できる状態を目指すことが推奨されます。

なお、意思決定に関わるキーマンとコンタクトが取れない場合は、何度も粘り強く営業活動を行う必要があることを念頭に置いておきましょう。

BtoCにおける営業フローの特徴

一般消費者を相手にするBtoCの場合は、BtoBよりも営業フローが簡素化しやすいという特徴があります。

Webや広告などでアプローチできることで、直接訪問するなどしなくとも、契約を取れるケースもあるでしょう。

意思決定が複雑化しにくいということもあり、信頼関係さえ構築できれば、比較的短時間で成約に至ることも多々あります。

DMやSNSなどをうまく活用し、効率よく見込み顧客を獲得していきましょう。

【場面別】営業フローの特徴や注意点

ここでは、場面別の営業フローの特徴や注意点を紹介していきます。営業フローは、新規顧客を開拓する場合、既存顧客に再アプローチする場合といったシーンによっても、その流れが変わるものです。

それぞれの特徴を理解したうえで、流れや対応の仕方などを把握しておきましょう。

新規顧客を開拓する際の営業フロー

新規顧客開拓における営業では、プッシュ型営業(アウトバウンド型)と、プル型営業(インバウンド型)のどちらかの手法が営業フローに用いられる傾向にあります。

プッシュ型営業はテレアポや飛び込み営業のようなアプローチ方法であり、顧客の反応がイマイチであることも少なくはありません。

そのため、顧客の反応や対応を考慮したうえで、さまざまなパターンの営業フローを策定しておく必要があるでしょう。

一方のプル型営業は顧客からのアプローチを待つ営業スタイルで、顧客が興味を持つであろう情報や、アクションを喚起するための情報などを発信して接触を図ります。

プル型営業においては、顧客からの反応に素早く対応することが鍵となります。成約の機会を逃さないためにも、迅速に対応できるように営業フローをまとめておくとよいでしょう。

顧客から問い合わせが来た場合の営業フロー

広告や自社メディアなどを通して顧客から問い合わせが来た場合は、状況に応じた細かい営業フローを作成しておく必要があります。

例えば問い合わせ後に電話で連絡をし、電話に出た場合は挨拶や情報提供をする、出なかった場合はメールで挨拶文を送るなど、ステップごとに対応をまとめます。

また、問い合わせの内容に応じて営業フローを策定しておくことも大切です。商品やサービスの詳細が知りたいのであれば情報提供をする、購入を迷っているならヒアリングをするといったように、適切な営業フローを考えておきましょう。

既存顧客に再アプローチする場合の営業フロー

既存顧客の維持や関係強化は、新規顧客を獲得するよりコストパフォーマンスがよく、売り上げ拡大のためには重要な要素となります。

まずは該当する企業との過去の商談履歴などを確認したうえで、再アプローチをするための営業フローを検討してみましょう。

例えば顧客の最新状況を1件ずつ確認したり、DMやメールなどでアプローチを仕掛けたりすることがフローとして挙げられます。また、アプローチ後は有益な情報を提供できるかどうかが鍵になるため、情報提供やヒアリングのプロセスも整備しておくとよいでしょう。

営業フロー作成のメリット

営業活動の「マニュアル」や「ガイドライン」ともいえる営業フローの作成は、企業にさまざまなメリットをもたらします。

ここでは、営業フローを策定することで享受できる主なメリットについて解説していきます。

営業活動の見直しができる

営業フローを作成し、定期的に確認することで、営業担当者が自身の営業活動を客観的に見直せるようになります。非効率的な活動はしていないか、問題点・改善点はないかなどをフローごとに振り返られるようになるため、営業活動のブラッシュアップにつながるでしょう。

フローのどの部分で問題があったのかも把握しやすくなるため、短期間で立て直しが図れる点もメリットとして挙げられます。

対応漏れや見落としを防げる

対応漏れや見落としなどの人的エラーを未然に防げる点も、営業フロー作成のメリットとして挙げられます。

特に新人の営業担当者の場合は、プロセスを把握できていないことから対応漏れをしてしまったり、チェックしておくべき項目がわからず見落としにつながってしまったりすることが少なくありません。

営業フローが可視化されていればステップごとにとるべき対応が明確になっているため、対応の仕方がわからず放置してしまったり、確認ミスをしてしまったりする事態を避けられるでしょう。

また、営業フローというマニュアルがあることで、新人営業担当者でも業務をスピーディに進められることも魅力です。

部門全体の営業力が向上する

営業フローを作成することで営業プロセスの標準化が可能となり、部門全体の営業力向上につながります。

これまで属人化されていた営業プロセスなどが可視化されることで、新人営業担当者であっても質の高い営業活動ができるようになるでしょう。さらにプロセスの見える化によって、担当者が不在の場合でもほかの社員が適切な対応をとれるようになり、顧客満足度も向上します。

営業ノウハウの共有にもつながるため、営業活動における不足点や改善点などに、それぞれの担当者が気付きやすくなる点もポイントです。

Nottaなどのツールを活用して営業活動を効率的に行おう

Notta

近年では業務効率化に役立つさまざまなツールが開発されており、営業活動を支援するツールやシステムも多数導入されています。

営業フローの作成にあたっても、案件管理や行動管理などを行える「営業支援システム」、顧客データを一元管理できる「顧客管理システム」などの利用が推奨されるでしょう。

また、商談内容を記録したり社内で共有したりしたい場合は、音声記録ツールや自動文字起こしツールなどを使うこともおすすめです。

Nottaは高精度の音声認識とAI要約機能を使って、1時間の音声を5分で文字起こしし、簡潔な要約を作成できるサービスです。

商談の振り返りや音声をテキストデータとして共有する際に適したツールであり、営業活動や付随する事務処理などを効率よく進められることでしょう。

営業内容の見直しや顧客ニーズの分析を行う際に、ぜひNottaのサービスを活用してみてください。

議事録は文字起こしツールを使って効率的に作成しよう!

Nottaは日本語に特化した国内最先端AI音声文字起こしツールです。

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営業フローに関するよくあるご質問

ここでは、営業フローに関するよくあるご質問とその回答を紹介します。

営業フローの流れは?

営業フローは、基本的に下記のような流れとなっています。

  1. 見込み顧客の獲得・アプローチ

  2. 情報提供とニーズのヒアリング

  3. 提案・見積

  4. クロージング・受注

ただし、BtoB営業かBtoC営業なのかや、取り扱う商材や営業担当者のスキルなどによって、適切な営業フローが変わることを覚えておきましょう。

営業部の業務を効率化する方法は?

営業部の業務を効率化するには、営業フローのようなマニュアルを作成したり、公式ホームページの情報を充実させ、成約する確率の低そうな見込み顧客からの問い合わせを減らしたりすることが大切です。

また、営業支援ツールや業務効率化につながるサービスの利用、業務の一部をアウトソーシングすることなどでも、生産性向上を図れるでしょう。

営業プロセスとは?

営業プロセスは営業活動の一連の流れ、いわゆる「骨組み」を表したものです。営業工程の大枠とも考えられ、各工程を整理することで受注までのステップが明確になったり、自社の営業活動における課題を見つけたりすることにつながります。

営業成績がよい人の特徴は?

営業成績がよい人の特徴として、以下のようなものが挙げられます。

  • できる限り決裁者と商談を行うようにしている

  • タイミングを狙って顧客に連絡をとる

  • ヒアリングスキルが高く、ニーズをうまく引き出す

  • ゴールまでのプロセスを見える化している

  • 目標達成に貪欲である

上記の要素を意識して営業活動を行うことで、成約率を向上させやすくなるでしょう。

まとめ

その手法が多岐にわたることから属人化されやすい営業活動ですが、営業フローを作成することでプロセスの見える化が図れます。

営業活動のマニュアルとも呼べる営業フローが策定されると、営業担当者の対応漏れや見落としを防げたり、営業部門全体の営業力が向上したりすることにつながるでしょう。

営業フローの作成やNottaのような業務効率化につながるツールの利用を通して、営業部門の改善やブラッシュアップを目指しましょう。

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