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「程よく働いてプライベートの時間も充実させたい」
「小さい子どもがいるので自宅で働きたい」
など、昨今リモートワークができるかどうかで仕事を探す人が増えています。
国土交通省『令和4年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-』によると、勤務先が週1日以上テレワークを認めている割合は全国で19.4%、首都圏では31.4%でした。感染症対策という観点ではリモートワークの需要は薄まりつつありますが、働き方改革という観点から今後も支持されていく可能性はあるでしょう。
本記事では、リモートワークができる職種を17種類、どんな資格が必要なのか・未経験でもOKなのか、というポイントから解説します。
リモートワークとは、オフィスから離れ場所にとらわれず仕事をすること。実は海外では大気汚染問題の解決を目指し1970年代にリモートワークが導入されています。日本でも80年代にNECが通勤負担を軽減するためにサテライトオフィスを設置したという事例がありました。
ここでは、リモートワークの定義やテレワークとの違いをみていきましょう。
リモートワークとはオフィス以外の場所で業務を行う勤務形態のことです。自宅だけでなく、コワーキングスペースやサテライトオフィスなど、リモートワークを行う場所はさまざま。
また、リモートワークは業務のすべてをリモートで行う「フルリモート」と週の何日かをリモートワークにする「ハイブリッド・リモート」に分けられます。
国土交通省が発表した「令和4年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-」によると、リモートワーク(テレワーク)の種類は下記7つ。
在宅型テレワーカー | 自宅でテレワークを行う人 |
---|---|
サテライト型テレワーカー | 自社の他事業所、または共同利用型オフィス等でテレワークを行う人 |
モバイル型テレワーカー | 訪問先、その行き帰り、出張中に立ち寄る喫茶店などでテレワークを行う人 |
雇用型テレワーカー | 雇用型就業者のうち、テレワークを実施している人 |
制度等ありテレワーカー | 雇用型テレワーカーのうち、勤務先にテレワーク制度等が導入されている人 |
制度等なしテレワーカー | 雇用型テレワーカーのうち、勤務先でテレワークが導入されていない人 |
自営型テレワーカー | 自営型就業者のうち、テレワークを実施している人 |
例えば一口に「リモートワーク」と言っても、フリーランスのライターでリモートワークを行っているケースや、勤務先でテレワークが導入されたため決められた期間内でリモートワークを行っているケースなどがあります。
リモートワークとはリモート(遠隔)で働くスタイルのこと。テレワークとは、テレ(離れたところ)で働くスタイルのことです。結論から言えば、リモートワークにもテレワークにも、違いはありません。両方ともインターネットを利用してオフィスから離れた場所(一般的には自宅)で業務を行うことです。
ちなみに、リモートワークもテレワークも、どちらも英語でも通じます。テレワークはなんとなく和製英語のようにも聞こえますが、NASAのエンジニアが作り出した英語の造語なんだとか。「毎日リモートワークをしています」は “I telework everyday” と表現できます。
職種とは仕事の種類のことで「営業職」「経理職」「人事職」など業務内容によって分類されます。また、営業部や総務部など会社の部署を指したり、ライターや講師など職業そのものを指したりすることも。
結論からお伝えすると、リモートワークができる職種は限られていますが、未経験で挑戦できるものもあります。また、高収入のものとなるとかなり限られてくるのが現状です。
ここでは、リモートワークができる職種を17種類、未経験でもできるのか、平均年収などの情報と一緒にみていきましょう。
<リモートワークができる職種>
ライター・ディレクター・編集者
システムエンジニア
Webデザイナー
イラストレーター
ゲームクリエイター
動画編集者
データサイエンティスト
翻訳家
コンサルタント
Webマーケター
カスタマーサポート
インサイドセールス
マネジメント職
心理カウンセラー
オンライン秘書
オンライン語学講師
事務職
*年収は「 マイナビ転職 2023年度版 [全317職種]職種別モデル年収 平均ランキング」を参考にしました。
ライターやディレクター、編集者もリモートワークをやりやすい職種といえるでしょう。特にWebメディアのライターや編集者は、やり取りのすべてをチャットアプリやオンラインWeb会議で行うことが可能なので、よりリモートワーク向きです。
Webのライターは未経験で資格がなくても始められますが、日本WEBライティング協会による「Webライティング能力検定」や日本クラウドソーシング検定協会による「WEBライティング技能検定」など、持っているとクライアントにアピールできる資格も存在します。
Webライターはフリーランスとして活動している人も多く、Webライター・Webディレクター・Webの編集者を兼任している人も多いです。
Webライターの平均年収 : 483万円
未経験で就職 : 可能
システムエンジニアは、システムの設計や開発を行う技術職です。原則資格は必須ではありませんが、基本情報技術者試験(FE)や応用情報技術者試験(AP)、システムアーキテクト試験(SA)など情報処理技術に関する資格を取っておいた方がよい場合もあります。
システムエンジニア・プログラマーは、業務のほとんどがパソコン上で完結します。独自システムを導入していたり、PCの持ち出しが禁止されていたりといったセキュリティ上の問題さえ解決できれば、比較的リモートワークを導入しやすい業種だといえるでしょう。
システムエンジニアの平均年収 : 576万円
未経験で就職 : 可能
Webデザイナーの主な仕事は、Webサイトのデザインと制作です。中には営業活動から企画、制作と一連の業務を担当する場合もありますが、Webデザイナーの場合それらすべてがオンラインで完結するため在宅でも業務を完遂できるでしょう。特にIT業界では在宅勤務が基本のWeb制作会社も増えてきており、リモートワークが広く受け入れられています。
Webデザイナーになるのに資格は必要ありませんが、IllustratorやPhotoshopなどのグラフィックソフト、WordPressのようなCMSを使いこなすスキルが必要。また、AI技術の発展に伴い、MidjourneyやFireflyなどのAI画像生成ツールもチェックしておきたいところです。
電通の『2022年 日本の広告費』によると、インターネット広告費は前年比114.3%で2019年から比較すると3年で約1兆円増加しています。今後もWebデザイナーの需要は高まっていくでしょう。
Webデザイナーの平均年収 : 509万円
未経験で就職 : 可能
本や商品パッケージの挿絵を描いたり、WebメディアやSNSに掲載するイラストを描いたり。そんなイラストレーターの仕事はリモートワークに適合性があります。イラストレーターは企業やプロダクションに所属して仕事をすることも多いですが、フリーランスのイラストレーターも数多く存在します。
SNSで案件獲得、Webミーティングツールを使って打ち合わせをし、イラスト制作ソフトを使ってパソコンで作業、そのままWeb上で納品というように、やりとりのすべてが非対面で完結。ちなみに出社型でもリモートワークでも案件の相場にほとんど違いがない点も、イラストレーターの強みです。
イラストレーターの平均年収 : 487万円
未経験で就職 : 可能
プロジェクトマネジメントの基盤があれば、ゲームクリエイターであってもリモートワークをすることは可能です。例えば大手ゲーム会社のソニーインタラクティブエンタテインメントは、ホームページでリモートワークが可能であることを職務制度として明記しています。
チームワークが必要な場合は、Webミーティングツールをオンにしたまま作業をするなど、工夫することで乗り越えることができる職種ともいえるでしょう。ゲームクリエイターとして働く際、資格取得は必須ではありませんが、Photoshop®︎クリエイター能力認定試験やIllustrator®︎クリエイター能力認定試験などの資格があると役立ちます。
ゲームクリエイターの平均年収 : 577万円(ゲームプランナー・ゲーム企画の場合)
未経験で就職 : 可能
YouTubeやオンラインサロンで使用する動画を編集する動画編集者。動画コンテンツは、5Gの普及と共にその価値が見直されており、今後需要が高まるといわれています。動画編集者も動画の企画や構成作成、ヒアリング、編集までWeb上ですべて行えるため、リモートワークとの適合性が高いです。
動画編集者は未経験でも目指せます。動画編集者になるための講座やオンラインスクールも数多く存在しており、0から案件獲得までサポートしてくれるサービスもあります。資格も特に必要ありませんが、動画編集のスキルに加えグラフィックデザイン、企画構成力、シナリオライティング、音楽に関する知識など幅広い素養が求められるでしょう。
動画編集者の平均年収 : 424万円
未経験で就職 : 可能
データサイエンティストとは、データを分析してデータにもとづいて合理的な判断を行えるよう、クライアントをサポートする仕事です。基本的にWeb上のデータを解析することが多いため、リモートワークを行いやすい職種だといえるでしょう。AI技術とも親和性の高い分野であり、今後さらに発展していく可能性を秘めています。
データサイエンティストは新卒でも高収入が狙える職種ではありますが、未経験から挑戦するのは難しいでしょう。Python、MySQL、Git、Hadoopなどのスキル、ディープラーニングの知識、数理統計学、情報分野、統計学の知見など、データサイエンティストには幅広い知識とスキルが求められます。
データサイエンティストの平均年収 : 557万円
未経験で就職 : △
翻訳とは外国語を日本語に、もしくは日本語を外国語に変換する仕事です。映像言語を翻訳する「映像翻訳」や出版物を翻訳する「出版翻訳」、ビジネス文書やマニュアルなどを訳す「産業翻訳」などさまざまな種類があります。
翻訳の仕事は一人でできるため、フルリモートの案件が多いです。翻訳という業務の性質上、クライアントが海外にいる場合も多く、オンラインでのやり取りも一般化しています。未経験でも可能な求人もありますが、一般的には実務経験を求める傾向が強いです。資格も、対象となる言語力を示すもの(英語のTOEICや中国語のHSK、スペイン語のDELEなど)が求められます。
翻訳家の平均年収 : 492万円
未経験で就職 : △
クライアントの課題を解決するためのアドバイスを送るコンサルタント。ヒアリング・ネゴシエーションをオンラインで行える場合、リモートワークとの適合性は高いといえるでしょう。実際、外資系のコンサルファームでは、リモートワークが積極的に採用されています。特にITの観点から課題解決を行うITコンサルタントはリモートワークとの親和性が高いです。
一方、コンサルタントはプロジェクトを立ち上げ、チームで仕事をするため、リモートになるとコミュニケーションにおけるデメリットも発生します。チームメンバーに対するフォロー工数をいかにして減らすのかが、リモートワークをうまく回していくポイントです。
コンサルタントの平均年収 : 1,358万円(経営コンサルタントの場合)
未経験で就職 : 可能
Webマーケターは、Web上で行われるマーケティングを担当します。WebメディアやSNS、メールマガジンなどWeb上の顧客に製品やサービスを買ってもらうよう戦略を立てることが仕事です。データ解析・施策立案などパソコン1台で仕事が成り立つことも多く、リモートワークが導入しやすいといえます。
マーケティングに関する知識が必要ではありますが、Webマーケターになるのに資格は必須ではありません。マーケティング・ビジネス実務検定やWeb解析士の資格があると、マーケティングの知識があることの証明になるでしょう。検索エンジンのアルゴリズムを分析する、という観点からいえばSEO検定も役立つかもしれません。
Webマーケターの平均年収 : 542万円
未経験で就職 : 可能
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応する職種です。顧客とのやり取りは電話やメール、チャットで行うことがほとんどであり、実際在宅の求人もあります。
カスタマーサポートの仕事は、ユーザーの生の声を企業にフィードバックする重要な仕事。クレーム対応という大変な部分もありますが、2020年以降デジタル化が進み、「分からない点をサポートしてくれる」カスタマーサポートの重要性が見直されつつあります。
資格取得は必須ではありませんが、顧客対応能力を測るコンタクトセンター検定試験や接客の能力を示す接客サービスマナー検定といった関連資格が存在します。
カスタマーサポートの平均年収 : 413万円
未経験で就職 : 可能
インサイドセールスとは、非対面で行う営業職のことです。新型コロナウイルス感染症の流行を受け2020年以降需要が拡大しており、対面で行っていた営業活動をインサイドセールスに切り替える企業も増えています。
インサイドセールスの仕事は、見込み客の課題を顕在化し、検討段階を遷移させる「リードナーチャリング」を行うこと。スピーディーな対応力を求められる一方で、じっくりとデータを分析する分析能力が求められます。
営業の仕事で重視されるのは、資格ではなく実務経験です。とはいえ、日本営業士会の営業士検定といった関連資格は存在しますし、Microsoftのマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)なども業務を行う上で役に立つでしょう。
インサイドセールスの平均年収 : 493万円
未経験で就職 : 可能
マネジメント職は別名「管理職」と呼ばれ、チームや部下を管理する立場のことです。マネジメント職の業務内容はリソース管理・労務管理・部下の育成・チームビルディングなど。業務の対象が企業内の社員なので、業務をリモートにしても影響が出にくくなります。業種や職種を超え、マネジメント職はリモートワークを導入しやすいといえるでしょう。
国土交通省の『令和4年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-』によると、令和4年の管理職のテレワーカーの割合は51.7%と半数を超えていました。
マネジメント職に資格が必要かどうかは職種によって異なります。マネジメント職はスキルや実績が認められてこそ与えられるポジションなので、未経験では難しいでしょう。人材を統括する立場として、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力が求められます。
マネジメント職の平均年収 : 528万円
未経験で就職 : ×
近年、メールや電話などオンラインでできるカウンセリングサービスが広まっています。一般的にメンタルクリニックでカウンセラーとして働くには、公認心理士カリキュラムのある大学を卒業し、2年以上の実務経験またはカリキュラムのある大学院の修了後に国家試験に合格しなければいけません。
しかしオンラインカウンセリングの場合、「カウンセリング」と「相談」の線引きが曖昧であるため、資格なしでカウンセラーとして活動するケースも多いです。
オンラインカウンセリングは自宅で行えるため、リモートワークしやすいでしょう。ココナラやタイムチケットのようなスキルシェアサービスに出品し、個人で活動していくことも可能です。
カウンセラーの平均年収 : 443万円
未経験で就職 : 可能(オンラインの場合)
オンライン秘書とは、インターネットを通じて企業もしくは個人の業務をサポートする職業。2020年以降、リモートワークの広がりと共に注目が高まった比較的新しい職種です。経理・総務・人事など幅広い分野をアシストするのが特徴で、クライアントがコア業務に集中できるようサポートしていきます。
オンライン秘書は未経験でも挑戦しやすい職種です。ただ、クライアントがバックオフィス業務や一般事務業務を希望する場合は、経理や総務などの経験があった方が優遇されます。WordやExcel、PowerPointなどのスキルもあった方がよいでしょう。
オンライン秘書の平均年収 : 60〜240万円
未経験で就職 : 可能
オンライン英会話やオンライン中国語会話など、オンラインでレッスンが行える語学講師もリモートワークに向いています。オンライン英会話やオンライン中国語を運営している会社に直接申し込みを行いましょう。業務自体がオンラインで完結するため、そのまま自宅で仕事を始められます。
資格は、それぞれの求人によって異なり、英会話の場合はTOEIC800〜900点が、中国語の場合はHSK5級以上が求められることが多いです。オンライン語学講師は基本的にフルタイム勤務ではなく、レッスンがある時間に時給で働きます。
語学講師の平均時給 : 1,200〜3,500円
未経験で就職 : 可能
会社でDX化が進んでおり書類のほとんどをオンラインで作成できる場合は、事務職でもリモートワークが成り立つ可能性があります。ただ、社内の書類が紙ベースでやり取りされている場合は押印作業のために出社しなければいけないことも。
また、郵便物の管理は出社しないと行えないため、100%リモートワークというのは難しいかもしれません。事務職は未経験でも就くことができますが、簿記の資格があるとスキルのアピールになります。
事務職の平均年収 : 427万円(一般事務・庶務の場合)
未経験で就職 : 可能
業務の主要部分を人が担っている労働集約型の職種は、リモートワークとの適合性が低くなります。パーソル総合研究所の『第8回・テレワークに関する調査』でもテレワークを実施しない理由として40.4%の人が「テレワークで行える業務でないから」と回答していました。
ここでは、リモートワークができない・向いていない職種を10種類解説します。
<リモートワークができない・向いていない職種>
接客業全般
医師・看護師
介護士
警備員
農家
建設業
清掃業
保育士
美容師
整体師・マッサージ師
飲食店やセレクトショップなど、接客業というのはお客さんと対面で接してこそ成り立つ仕事です。少しずつライブ配信で商品を売る手法も一般的になってきたり、スーパーやコンビニでもセルフレジが導入されたりしていますが、それでもまだまだ現場で接客をするスタイルのお店が大多数でしょう。
医師や看護師も原則リモートワークでは成り立ちません。現在ではアプリで予約をしてリモートで診療が受けられるオンライン診療も浸透しつつありますが、触診や手術などリモートでは行えない診察や処置も多いです。カウンセリングやヒアリングなど一部業務をリモート化することは可能であっても、フルリモートというのは難しいでしょう。
目の前にいる利用者の身体介護を行うことが仕事の介護士も、リモートワークができない職種の一つです。ただ、現場から離れて買い物代行やケアプランの作成、相談援助業務などを行う場合、部分的にリモートワークを取り入れることもできます。ケアマネージャーの場合、介護度の低い利用者のモニタリングをオンラインに切り替えることは可能でしょう。
警備の現場をリモートワークに置き換えることは難しく、警備員の仕事もリモートワークに向かない職種だといえるでしょう。とはいえ勤務実績の記録や経費精算など一部雑務をリモートワークで行うことは可能です。また、AI搭載カメラが施設内の監視を行うAI警備の導入も進んでおり、現場から離れられる機会も多くなるかもしれません。
農作業をリモートワークで行うことはできません。ロボットが農薬散布を行い、作物を自動収穫、荷物を運搬…など、ロボット技術は農業の現場にどんどん進出してはいるものの、それでも不測の事態に備えるには、現場近くに人がいる必要があり、すべての工程をデジタル化するというのは現実的ではないでしょう。
建設工事の工程を請け負う建設業には、設計士やエンジニア、大工、内装工、電気工事士などさまざまな職種がありますが、現場で建物の建造を行う職人の場合、リモートワークは不可能でしょう。ただ、営業や設計、ジムなどを担当する場合はリモートワークが可能になりますが、業界としてはリモートワークとの適合性が低いといえます。
ビルの清掃、ホテルの清掃、ハウスクリーニングなどを行う清掃業全般も、リモートワークができません。お掃除ロボットの開発が進んでいるとは言えども、やはり人の手による清掃には劣ってしまうケースが大半だからです。特殊な洗剤や機材を用いる場合もあるため、人による作業と確認が必要になります。
子どもを預かり世話をするという保育士の業務はリモートワークでは行えません。一方、教材の準備・保育業務に関する書類作成など業務の一部をリモート化することは可能です。また、近年子どもの様子をSNSやYouTubeにアップするという業務も一般的になりつつあり、そういった業務もリモートワークに切り替えられるでしょう。とはいえ、基本業務である保育業務は対面でないと成り立ちません。
カットやカラーリングなどのサロンワークはリモートでは行えないため、美容師の仕事もリモートワークと適合性がありません。一部のポジションの人が集客やブランディングのために行う営業活動はオンライン化しリモートワーク化できますが、フルリモートは難しいでしょう。
お客さんの体に直接触れて施術を行う整体師やマッサージ師もリモートワークが難しい職種の一つです。ストレッチやマッサージの方法を動画でシェアする、SNSで集客を行う、などの業務以外はリモートワーク化ができません。
カオナビHRテクノロジー総研調査レポートによると、2020年5月のリモートワーク導入率は35.5%だそうです。
(カオナビHRテクノロジー総研調査レポートより引用)
一方、毎日出社は58.5%とリモートワークを上回っており、リモートワークができる職種が限定されていることがわかります。
では、リモートワークができる職種には、どんな特徴があるのでしょうか?
リモートワークをできる職種の最大の特徴は、企業を相手に事業をしているB to B系の職種であることです。一方、消費者を相手に事業をしているB to C系の職種の場合、お客さんと同じ空間にいないと仕事ができないことが多く、リモートワークの導入が難しくなります。
リモートワークができる職種は、業務のほとんどを1人でこなせることがほとんどです。例えばカメラマンや工場生産、旅行の添乗員など、現場に出ないと仕事ができない職種とは異なり、各工程の決定権を1人の人に委ねることができ、個人でも仕事が成り立ちます。
パソコンで仕事が完結することも、リモートワークができる職種の大きな特徴です。WebライターやWebデザイナーなど、Web上で企画・立案ができ、Web上のシステムを使って成果物を作成できることがポイント。
研究職や商品開発など、さまざまな素材や機器を使って比較検証をする職種ではパソコンだけではできることに限界がありますが、リモートワークと適合性が高い職種はオフィスに出向かなかったとしても仕事への影響が少ないという特徴があります。
例えば銀行業務は預金・融資・為替業務などに分かれており、一人で業務をこなすことはできません。チームワークを必要とせず仕事ができる点も、リモートワークができる職種のポイントだといえるでしょう。業務内容も一人でこなせる必要がありますが、個人で業務が完結するフローが組まれているかという点が重要です。
機密情報の流出は、企業に大きな損害をもたらします。リモートワークを実施するには、機密情報を守るための体制とシステムが必要になるでしょう。自社システムを採用している、パソコンの社外への持ち出しが禁止されている、といった場合リモートワークの実現は困難になります。
では、実際のリモートワークの事例をみてみましょう。
ITツールやワークスペースの提供を行うキャップクラウド株式会社では、全社員を対象に働き方選択制度を導入し、山梨県内4箇所にサテライトオフィスを設置しています。また、テレワーカー同士の交流を促し、ビジネスマッチングを促進する交流会も実施されており、社員の孤立化を防ぐ工夫がされています。
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社では、出社/テレワークを必要に応じて選択して働くハイブリッドワークを導入しています。人事制度、オフィス環境、インフラ、セキュリティなどを整備し、リモートワークでも仕事ができる環境が整えられています。
Yahoo! JAPANでは2014年に「どこでもオフィス」というリモートワーク制度が導入されました。2020年以降は上限なくこの制度が利用できるようになり、正社員だけでなく契約社員でもリモートワークに切り替えられます。
<リモートワークのメリット>
通勤の負担がなくなる
都会と田舎の2拠点生活も
地方に暮らす人の仕事の幅が広がる
企業側もコストをカットでき、安定的な人材確保につながる
<リモートワークのデメリット>
トラブルに対する対処が難しい
一時的に覚えることが増える可能性も
監視ツールが導入されると仕事がやりづらい
企業側には、情報が漏洩してしまうリスクがある
リモートワークで働けるなら、通勤の必要がなくなります。満員電車に揺られて片道1時間。1週間で往復10時間通勤に費やしていた時間をプライベートな時間に充てられますので、非常にメリットが大きいといえるでしょう。
また、「リモートワーク=働く場所が自由」なので、都会と田舎の2拠点生活も夢ではありません。地方に住みながらオンラインで東京の会社に就職…なんてことも可能になりますので、地方に住んでいる方にとっても職の選択肢が高まるでしょう。
一方企業にとってもリモートワークの導入は、コストをカットできるというメリットがあります。また、在宅勤務の体制を整えることで社員の離職率が下がり、安定的な人材確保につながるでしょう。企業がリモートワークを導入するには、業務がリモートで行えることを前提とし、外部アクセスを担保するセキュリティを構築することが重要です。
リモートワークには、出勤して行う業務とはまた異なる難しさがあります。トラブルが発生したときの対処法やWebミーティングツールや業務管理ツールの使用方法、オンライン上で守るべきビジネスマナーなど、業務が増える一面もあるといえるでしょう。リモートワーク監視ツールが導入されている場合、やりづらさを感じるかもしれません。
情報漏洩のリスクがあるという企業側にとってのデメリットもあります。社員が自宅以外の場所で仕事をし、操作画面を覗き込まれてしまうといったリスクもあるでしょう。また、社員がSSL化されていないWiFiに接続し業務を行うと、情報が第三者に渡ってしまう危険性もあります。
リモートワークは必ずしもすべての人にとって快適というわけではありません。ここでは、リモートワークに向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
<リモートワークに向いている人の特徴>
1人で作業していても孤独を感じない
1人で仕事することに抵抗がない
相手と顔を合わせないやり取りを快適に感じる
タイムマネジメント力がある
<リモートワークに向いていない人の特徴>
1人で作業していると孤独を感じる
仕事をコミュニケーション能力で乗り越えてきた
テキストでのやりとりが苦手
一人で作業していても孤独を感じづらい、むしろ煩わしい人間関係から解放されてスッキリする…という方は、リモートワークに向いています。リモートワークができる職種の中には、クライアントと一切顔を合わせず仕事をすることも珍しくありません。誤解が生じやすいリスクをはらんでいるオンラインでのやり取りを「不安だ」と感じるか「快適だ」と感じるか、そこが境目です。
また、タイムマネジメント力があることも、リモートワークへの大きな強みになるでしょう。リモートワークでは、業務量や推定時間、いつまでに何をするのかなど、細かく自己管理をしなければいけません。自宅にいてもタスクを着実にこなせる方はリモートワークに適性があります。
人とのコミュニケーションが息抜きになる、1人でいると孤独感を感じやすい、そんなタイプの人はリモートワークに向いていません。今までコミュニケーションにより解決していた問題がすぐに解決できなくなってしまうため、フラストレーションを感じてしまうでしょう。
パーソル総合研究所の『第8回・テレワークに関する調査』でも、42.7%の人が「非対面のやりとりは、相手の気持ちがわかりにくく不安」と答えています。
また、テキストでのやり取りが苦手な方も、リモートワークでストレスを感じやすいかもしれません。冷たい印象にならないように気を遣ったり、伝えたいことを簡潔にまとめたり、テキストコミュニケーションというのは意外と労力を要するからです。リモートワークには「意味が伝わればいいや、仕事だし」と割り切れるタフさが必要な場合もあるかもしれません。
リモートワークができる仕事は、求人サイト、転職サイト、転職エージェントを使って探しましょう。リモートワークが制度として整備されていても実施率や実際に利用しやすい雰囲気なのかはわかりませんが、転職サイトや転職エージェントであればそれらを含むリアルな情報が得られます。
代表的な求人サイト・転職サイト・転職エージェントは下記を参考にしてください。
リクルートエージェント | 非公開求人20万件以上、転職支援実績No.1 |
---|---|
マイナビエージェント | 専任アドバイザーが転職活動をサポート、オリコン満足度ランキング1位 |
doda | 独自の採用ノウハウで転職をサポート |
Indeed | 求人情報向けの検索サイト |
enエンゲージ | 求人企業数No.1。正社員以外の求人も多数 |
クリエイト転職 | 会員登録不要で利用できる、地方求人も多数 |
はたらいく | 地元密着型の求人多数 |
リモートワークに欠かせないWeb会議。Nottaは、ZOOMやMicrosoft Teams、Google Meet、Webexに対応している文字起こしアプリです。会議URLと連携することでbot(内容を自動で処理するプログラム)として参加し、会議音声をテキスト化します。
最新のAI音声認識エンジンが搭載されており、精度が98%と非常に高いため、リモートワークで離れていても、議事録や必要な情報を効率的に共有できるでしょう。
会議音声は録音され、クリックするだけで任意の箇所を再生でき、ランダムアクセス性に優れています。文字起こしした内容は自由に編集でき、PDFやDOCXとしてエクスポート可能。チーム版もリリースされており、リモートワークにおけるチームプロジェクトにも最適です。
効率的になると見せかけて、実は仕事が増えた…なんてこともあるリモートワーク。ぜひNottaを活用して、議事録作成の効率化や打ち合わせの可視化、タスク実行力の強化に役立ててみませんか?
2023年7月13日〜18日に行われたパーソル総合研究所の『第8回・テレワークに関する調査』によると、リモートワークの実施率は正社員ベースで下記の通りでした。
(『第8回・テレワークに関する調査』より引用)
ほとんどの業種で1年前と比較して実施率が下がっていることがわかります。
リモートワークとしては、下記のような課題が挙げられています。
情報共有がしづらい
タイムマネジメントが難しい
社員同士のコミュニケーション不足
セキュリティの確保にコストがかかる
ハードウェアの導入が負担になる
仕事とプライベートの切り替えが難しくなる
オフィス勤務と同じだけのパフォーマンスを発揮できない
社員の正当な評価が難しくなる
ちなみに国土交通省の『令和4年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-』によると、テレワークの継続意向がないと回答したうちの30.3%がその理由を「仕事に支障が生じるから」と回答しています。リモートワークを導入しても、実際に支障が出ているケースも一定数存在するようです。
自宅以外でリモートワークができる場所は下記の通りです。
サテライトオフィス
コワーキングスペース
レンタルスペース
ウィークリーマンション
ビジネスホテル
図書館
カフェ
カラオケ
自家用車
カラオケボックスは個室であるため、資料を広げたりWeb会議をしたりするのに最適です。カラオケでも「テレワークプラン」といった専用プランが用意されています。
現場に出勤しなくても成り立つことが前提となりますので、職種は限られます。また、同じ職種でも現場で仕事をするのか、バックオフィスで働くのか、業務内容によってもリモートワークとの適合性は変わってくるでしょう。
リモートワークだと、ついついサボりたくなってしまいますよね。事実、マイナビニュース『テレワーク時に20代の44.4%が「サボっている」と思われないか不安あり』では、「オフィス出勤よりもテレワークの方がサボってしまう」と回答した20代が66.5%に及びました。
しかし、リモートワークでサボるとバレる可能性があります。ブラウザの閲覧履歴やデバイスの位置情報、パソコンの操作履歴など、サボりがバレるポイントはさまざま。中にはリモートワーク監視システムを採用している会社もありますので、気をつけましょう。
オフィス以外の場所で働くリモートワークは、もともと働き方改革のために提案され、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに急速に広まりました。リモートワークは首都圏を中心に導入されており、特にIT企業で多く実施されています。また、従業員が5,000人以上など規模が大きい会社ほどリモートワークが導入される傾向にありますので、ぜひそれらのポイントを押さえながらリモートワークができる職種を探してみましょう。Web会議の文字起こしなら、ぜひ安全かつ高精度なNottaを使ってくださいね。